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Motor Sports
Paris-Dakar Rally 
ポディウムの三菱1〜2の4人。右から増岡、ペテランセル、ピカール=増岡のナビ、コテ=ペテのナビ
ポディウムの三菱1〜2の4人。右から増岡、ペテランセル、ピカール=増岡のナビ、コテ=ペテのナビ

4輪初の総合優勝を果したペテランセル
4輪初の総合優勝を果したペテランセル

ダカール海岸を走るペテランセルと増岡
ダカール海岸を走るペテランセルと増岡
第17(最終)レグ

 【ダカール(セネガル)18日】テレフォニカ・ダカール2004(通称パリダカ)は18日、ダカールにゴール。三菱パジェロエボリューションに乗るステファン・ペテランセル(フランス)がSS累計53時間47分37秒で、2位の増岡浩に49分24秒差で優勝。三菱コンビが4年連続1〜2フィニッシュとなった。ペテランセルはパリダカの4輪初、三菱は4連勝、9度目の優勝。3位はベテラン、ジャン−ルイ・シュレッサー(フランス、シュレッサー・フォード)だった。4位はBMW・X5のリュック・アルファン(フランス)、5位には三菱パジェロに乗る女性ドライバー、アンドレア・マイヤー(ドイツ)が入った。日本人ドライバーは増岡のほか総合22位に池町佳生(日産サファリ)、45位に尾上茂(鈴木・エスクード)が入った。2輪では堀田修(KTM)が50位、トラックでは菅原義正(日野レンジャー)が総合5位に入って完走している。片山右京(トヨタ・ランドクルーザー)は17日にリタイヤ。
 前日ダカール入りしたパリダカの一隊は、市中から42キロを走ってラックローゼ(バラ色の湖)湖畔に到着。例年ゴール地点となる湖の東側、内陸よりから湖を4分の3周。椰子林の間の砂丘を抜けてダカール海岸を27キロ走って最終SSを終えた。
 ゴールは市内のホテル構内に設けられた表彰台。ペテランセルは1998年、2輪で6勝目を挙げた時以来、感激の表彰台となった。


 バラ色にに光るラックローゼを巡り、波の打ち寄せるダカール海岸を走り18日間、1147キロに渡る第26回パリダカは終わった。ペテランセルが4輪初の総合優勝に感激する傍らで、増岡はほほえみながらも3連覇を逃した悔しさをかみしめていた。
 「一発のミスが決定的でした。勝負とはこういうものだと思います。自分のミスですから誰もとがめることはできません。勝負の怖さを痛感したパリダカでした」と増岡は言った。
 晴れ上がったダカールの海。乾いた、少し熱い風が通りすぎる。“一発のミス”は増岡がヨーロッパ・ステージからじっと我慢し、モロッコでの第6ステージ(6日)でペテランセルを逆転。狙い通り首位に立った2日後に起こった。
 「急な砂丘の上りで1速ギアに入っていると思っていました。それがニュートラルでした。急いで1速に入れようとしたら、ギアが鳴り、1速が壊れてしまったんです」
 ペテランセルに1時間22分32秒の遅れ。この時点で3連覇は絶望的になった。
 話題の多いパリダカだった。日産はパリダカ・プロジェクトの2年目。かつてパリダカ4連勝したアリ・バタネン(フィンランド)、WRCのもと王者、コリン・マクレー(英国)を起用。南アの若手ジニール・ドゥヴィリエとともにピックアップを走らせた。
 バタネンとマクレーは9日の砂丘でトラブル。その後も走ったが、バタネンは立木に激突して鮮烈を去り、マクレーもダカールへ向かう17日、木にぶつかって大きく遅れた。
 フォルクスワーゲンは新たに開発したレース・トゥアレグにユタ・クラインシュミット(ドイツ)、ブルノ・サビー(フランス)を乗せたが、クラインシュミットはモロッコでの川渡りでエンジンが水をかぶり、上位進出の夢を断たれている。
 BMW・X5はリュック・アルファン(フランス)が4位に入り、気を吐いたが三菱パジェロエボリューション・コンビにはまだ距離がある。
 しかし、2年前まで三菱とシュレッサーの戦いだったパリダカは、日産、BMW、VWの参戦で活気づいた。三菱の牙城を崩そうと、2005年パリダカはより面白くなりそうだ。

 一方、パリダカのコースは年々、選択肢が狭まる。アルジェリア、ニジェールはテロや武装強盗団の危険が一杯。コースからは避けている。マリも今回のように、モプチ周辺でパリダカが“そっくり人質になる”危険をマリ、フランス警備当局から警告され、ルートを変更した。モロッコ、モーリタニア国境では“関所銭”を目当てにトップにいた増岡が銃を突きつけられた。
 マリ、モーリタニアの辺境地帯も危ないとなるとダカールへの道は閉ざされる。ワークス参戦での盛り上がりとは裏腹に、政情不安、治安の悪化はパリダカの将来に秘かな陰を落としている。

 パリダカの“ビッグネーム”も影が薄れつつある。篠塚建次郎(日産ピックアップ)は、トラブルから車両が炎上。リタイヤだ。バタネンも樹木に激突して去った。パリ〜北京のビッグイベントを指揮した1981年のパリダカ優勝者、ルネ・メッジ(フランス)も17日、リタイヤとなった。55歳のシュレッサー一人が3位に入賞。タフネスぶりを発揮しているが、大きく時代が変わろうとしているのを痛感する。

 増岡とペテランセルの時代にアルファン、ドゥヴィリエ、などが迫る。パリダカにも新しい波が押し寄せている。



◇ペテランセル
 「生涯最高の日になりました。4輪で総合優勝することは、2輪をやめたときからの夢でした。支援してくださった方々に感謝します。去年は最後にトラブルを起こして勝てませんでした。今年ダカールに無事ゴールできて感激しています。三菱パジェロエボリューションの信頼性の高さは、18日間の戦いで証明できました。メカニックの人たちにも感謝しています。最高の仕事をしてくれました。来年もこのチームで戦い、4輪での2連覇を狙います」

◇増岡浩
 「ペテランセルにおめでとうを言います。わたしが三菱の4年連続1〜2フィニッシュに貢献できたことをうれしく思います。第8レグのミッショントラブルの時、マイヤー・シュルツ組が止まって支援してくれたし、車の修理をしてくれたのは、ペテランセルのナビ、コトレとトラックのクルーでした(8日はサービスなし)。ただ1度のシフトミスは残念です。相手がほかのチームなら、逆転を狙えますが、同じチームでは1〜2が優先です。来年に向けて気持ちを入れ替え、新たに勝利、そして連勝に挑むつもりです」



◇ステファン・ペテランセル(フランス=38歳)
 1980年にオートバイでモータースポーツ界にデビュー。パリダカの2輪部門では優勝6回、バイク・エンデューロの頂点ISDE(インターナショナル・シックス・デイズ・エンデューロ)でも4度優勝している。
 1999年のグラナダ〜ダカールラリーから4輪に転向。日産パトロールで総合7位。2000年はパジェロをベースとしたメガ・三菱車で参戦。シュレッサーに次いで総合2位。2001年は日産テラノでT1部門で優勝した。
 2002年に三菱ワークス入り。チュニジアラリー、UAEデザートチャレンジで総合優勝(増岡は不出場)。2003年ダカールラリーでは、トップを走行しながら、ゴール2日前にクラッシュ。増岡に逆転され総合3位だった。2003年のイタリアン・バハではゴール5キロ前でトラブル。増岡に逆転されたが、UAEデザートチャレンジでは2連覇を果たした。
 2輪のオフロード界に君臨したペテランセルにとって、4輪の総合優勝は悲願。2・4輪ともに制覇したのは、ユベール・オリオール(フランス)以来、2人目となる。

筆者:中島 祥和



■総合成績(暫定)【大会最終日18日目1月18日(日)第17レグ終了時】

順位 ドライバー    車両                タイム
1  S・ペテランセル  三菱パジェロエボリューション    53時間47分37秒
2  増岡 浩      三菱パジェロエボリューション       49分24秒
3  J-L・シュレッサー シュレッサー・フォード        3時間00分33秒
4  L・アルファン   BMW・X5                3時間55分58秒
5  A・マイヤー    三菱パジェロ             5時間46分17秒
6  B・サビー     フォルクスワーゲン・レーストゥアレグ 6時間54分03秒
7  G・ドゥビリエ   日産ピックアップ           8時間06分11秒
8  G・ドメビウス   BMW・X5                9時間34分45秒
9  T・マニャルディ  HONDA・Buggy             10時間00分36秒
10  N-S・アルアティヤ 三菱パジェロ            10時間01分28秒
22  池町 佳生     日産                27時間09分32秒


 1位のタイムは第2レグ(SS2)からの合計所要時間とペナルティーの合計
 2位以下はトップとの差



■SS17成績(暫定)【大会最終日18日目1月18日(日)第17レグ終了時】

順位 ドライバー      車両                 タイム
1  C・マクレー      日産ピックアップ           14分42秒
2  J-M・セルビア     シュレッサー・フォード          41秒
3  N-S・アルアティヤ   三菱パジェロ               43秒
4  L・アルファン     BMW・X5                  59秒
5  G・ドゥビリエ     日産ピックアップ           1分04秒
6  J-L・シュレッサー   シュレッサー・フォード         1分09秒
7  B・サビー       フォルクスワーゲン・レーストゥアレグ  1分35秒
8  J・クラインシュミット フォルクスワーゲン・レーストゥアレグ  1分44秒
9  A・マイヤー      三菱パジェロ             2分16秒
10  D・ホウジアクス    三菱パジェロ             2分21秒
12  増岡 浩        三菱パジェロエボリューション     2分24秒
19  S・ペテランセル    三菱パジェロエボリューション     4分23秒
33  池町 佳生       日産                 6分50秒


 2位以下はトップとの差



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