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Motor Sports
Paris-Dakar Rally 
高速で砂漠を走る増岡
高速で砂漠を走る増岡

SSゴールでのバタネン
SSゴールでのバタネン
第10レグ

 テレフォニカ・ダカール2003(通称パリダカ)は11日、第10レグのズィーラ〜サリル間554km(うちSS521km)を行い、三菱パジェロ・エボリューションの増岡浩(日本)がトップタイム、2番手にステファン・ペテランセル(フランス)が入った。3、4番手にの三菱パジェロのジャンピエール・フォントネ(フランス)、ミキ・ビアシオン(イタリア)が続き、この区間では三菱軍団がトップ4を独占した。総合ではペテランセルが24時間21分20秒で首位をキープ。14分6秒遅れて増岡が続いている。3位はグレゴアール・ドメビウス(ベルギー、BMW・X5)、4位にはユタ・クラインシュミット(ドイツ、フォルクスワーゲン・ターレック)、5位ジャンピエール・フォントネ(フランス、三菱パジェロ)。アリ・バタネン(フィンランド、日産ピックアップ)は、篠塚の救出を手伝うロスなども尾を引いて総合11位。


 GPSの方位、緯度・経度を示すデータなしの1日。ナビゲーションはかなり難しいと思わせた。しかし、ミスコースを誘う設定ではなく砂漠の“特急コース”だった。コースそのものは指示された方位に向かってまっしぐら。リビア砂漠のフラットな砂や、緩やかな広がりの特徴を十分に生かした設定となっていた。トップクラスの走りは、道のない砂の丘やうねり、砂丘を突っ走っていながら、521kmのSSを4時間もかけていない。
 増岡は3時間46分36秒。平均時速180kmにも迫る凄まじい速さだ。4時間以内が5人。4時間1分台が2人―。「砂漠の丘や砂丘をまっしぐら、180km以上で後半の400kmは走りました」と増岡は言った。重ねて言うが、いくらフラットで凹凸は少ないにしても道ではない。砂の上だ。前方の状況を見分ける視力と経験から来る地形や砂の読みが、こういう砂漠では絶対に必要となる。
 「無理はしていません」と増岡は言う。2分46秒遅れてペテランセル。フォントネ、ビアシオンは10分12秒、11分6秒増岡より遅かったが、三菱軍団は4台揃って上位を独占し、今年のラリーで圧倒的な力を見せつけた。
 総合トップを続けるペテランセルは増岡にちょっと詰められているが悠々としている。
 「14分差はこのラリーではないも同然ですよ。勝負がどうなるかは分かりませんね。私はリスクを冒さない走りをしています。2輪で6回勝ったノウハウがこういう走りをさせているんです。たとえば、昨日、私はパンクしなかったけど、増岡は6本パンクしています。速さでは増岡でしょう。走るだけなら彼が上です」と語り、最後にはニコニコと言外に自信をほのめかせていた。
 リビア国境を越えてすぐ、エジプトのシワオアシス。砂漠のオアシスで“砂漠観光”の基地でもある。休息日はここ。フランスから主催者のツアーが数百人、パリダカを見るために12日の朝、パリを発つ。三菱軍団は1〜2だけではなく、1、2、3,4位と揺るぎない戦力を誇示して、シワに入ることを狙っている。その確率は高い。
 日産ピックアップのバタネンは区間5位でゴールした。総合では11位だが確実に車をフィニッシへと運びながら、トップ3への意欲は持ち続けている。ポルトガルのカルロス・スーザ(三菱ストラーダ)は総合7位。フォントネ、ビアシオンに続く位置だ。三菱が突出してはいるが、日産、BMW、フォルクスワーゲンも頑張りを見せる。1、2位と3位(ドメビウス)の間には1時間以上の開きが出来たが、まだシナイ半島のゴールは遠い。



パソコンで日本からのメールを読む増岡
パソコンで日本からのメールを読む増岡
◇順調にいます、と増岡浩

 今日はトップタイムでした。3分くらいの差ですか…。今日のコースはGPSなしです。指示された方位とコマ図で走るのですが、後半400kmは94度をキープしてまっしぐらです。砂の起伏を越えて走るルートで、緩やかな砂の丘を上ったり下ったり、砂丘も少しありました。ナビ要らずのルートでしたよ。最高で時速180キロ以上も出ています。
 明日は砂丘が多いようです。今日は早く着きましたが、明日はどうも厳しそうです。休息日の前はいつも、難コースがありますから…。ペテランセルに抜かせ、そのあとについていく走り方で行こうかと思います。ここは我慢のしどころです。勝負のチャンスはまだあるんですから…。



 テレフォニカ・ダカール2003(通称パリダカ)のリビア砂漠で9日に転倒、チュニジアの病院へ搬送された篠塚建次郎(日本、日産ピックアップ)は、順調に回復している。11日チュニジアの病院へ電話し、篠塚の元気な声を聞いた。12日にも退院出来る見通しで、数日うちにはパリのアメリカン・ホスピタルに移る予定。


 ―酷い目に遭いましたね。
 「何だかそのときのことは全然、覚えていません。前に転がったみたいですけど、ひっくり返った時や、飛び上がった時の様子は覚えていません」
 ―どんな走りをしていたの?
 「特別速く走っていたわけではありません。リュック・アルファン(BMW)、ユタ(クラインシュミット=VW)を抜きちょっとミスコースしました。ユタを抜き返し、順調に走ってました。砂丘がストンと落ちていたみたいですけど、覚えてません」
 ―鼻骨と頬骨を骨折と聞いていますが…。
 「右側のほっぺたは切ってますが、骨は折れてないと思いますよ。鼻骨も折ってません。頬の傷のため包帯をしているので右の目は塞がっていますが、明日には包帯をとる、と医者は言っています」
 ―怖い記憶はないし、鼻は折れてない―。建次郎は健在ですか…。
 「全く事故のことは覚えていないので、そういうことになりますか。順調だったので残念です。すっと前にテネレ砂漠(ニジェール)で転がった時は、ほかの人のルートと5mほどずれていて段差がありました。今度も同じトレールだったら、先に走って行った人が同じ目にあっていたはずです。ちょっと離れたところを走っていいたのかもしれません」
 ―パリにはいつ頃帰りますか?
 「医者の方は明日にでも、と言っていますが主催者の手配があるので、どうなりますか。パリ打破アメリカン・ホスピタルに入る予定です」
 ―元気でなによりです。安心しました。
 「ありがとう。大丈夫です。パリで遭いましょう」


 篠塚とともに転倒したナビゲーターのティエリー・デリゾッテ(フランス)は、10日夜、篠塚に先立ちチュニジアからにパリ郊外の自宅に戻った。デリゾッティは11日、フランス日産の関係者に次のように語った。
 「家族とも会って無事を喜び合った。私は特に怪我をしてはいない。ただ、強い衝撃を受けたのでシートベルトが食い込み、上体の左右に黒いアザが出来て少し傷む。でも問題はない。シャルムエルシェイクのゴールには行くつもりだ」



 ○…03年ダカール・ラリーで初めての死亡事故が11日に発生した。総合66位でスタートしたプライベーターのダニエル・ネボーとナビゲーターのブルノ・カウニーさん(ともにフランス=トヨタ・ランドクルーザー)が高速のSSで転倒。ナビのカウニーが死亡した。緊急信号を受けた主催者のヘリは27分後に現地に着いたがカウニーさんは既に死亡していた。ASO代表のユベール・オリオールは夕刻、プレステントで沈痛な表情で事件を説明した。



 ○…三菱チームのドミニク・セリエス監督は11日、チュニスの病院に入院している篠塚建次郎と衛生電話で話し、無事を確認。ほっとした表情だった。セリエス監督は2000年にリビア砂漠で転倒した篠塚のナビ。背骨を痛めナビゲーターとしての参戦は不可能となったが、三菱の監督としてチームを率いている。
 「ケンジローが無事で良かった。話しぶりから容態はいいと思う」と語っている。



 ○…11日のビバーク地、サリールはリビア砂漠の北端で、北アフリカ最大の石油基地が近くにある。砂漠の真ん中の飛行場は、舗装された滑走路はあるが管制塔もなく、朝方は砂嵐のような強風で主催者テントの設営が遅れる一幕もあった。SSのゴールは飛行場から2キロの砂漠の中。遠くには石油精製工場の煙突に赤い炎と、黒煙が上がっている。砂漠の一本道は何度かパイプラインも乗り越え、塩湖もあった。
 石油会社に勤務するリビアの人々が多数ゴールを訪れ、アラブなまりの英語でエントラントに積極的に問い掛けたり記念写真を撮ったり。だが、西アフリカのような「お土産をちょうだい」(ドノマデカドゥ)は一切なし。話好きでも、ものをねだることはしない。規律正しく、ものを盗られる危険もまない。リビアの広く伝えられている印象とは違って、平和で楽しい暮らしもあるように感じた。昼の陽射しは強く日中は30度程度。夜はかなり冷え込む。今日でリビアは最後。全員が出国手続きを飛行場のかたすみで行っている。

筆者:中島 祥和



■4輪総合成績

順位 ドライバー      車両(カッコ内は部門)          タイム
1  S・ペテランセル    三菱パジェロエボリューション(2)24時間21分20秒
2  増岡 浩        三菱パジェロエボリューション(2)   14分06秒
3  G・ドメビウス     BMW・X5(2)           1時間29分07秒
4  J・クラインシュミット VW・ターレック(2)        1時間54分24秒
5  J−P・フォントネ    三菱パジェロ(2)         2時間02分37秒
6  M・ビアシオン     三菱パジェロ(2)         2時間08分52秒
7  C・スーザ       三菱ストラーダ(2)        2時間15分42秒
8  G・ドゥビリエ     日産ピックアップ(2)       2時間52分22秒
9  S・アンラール     VW・ターレック(2)        2時間56分43秒
10 J−M・セルビア     シュレッサー・フォード(2)    3時間14分26秒
11 A・バタネン      日産ピックアップ(2)       4時間59分33秒
30 片山 右京       トヨタ・ランドクルーザー(1)  10時間45分40秒
31 浅賀 敏則       トヨタ・ランドクルーザー(1)  12時間11分19秒
56 尾上 茂        スズキ・エスクード(2)     20時間35分05秒


 日本時間12日午前6時入電
 1位のタイムは第2レグSS2からの合計所要時間とペナルティーの合計、
 2位以下のタイムはトップとの差
 (1)=プロダクション部門、(2)スーパープロダクション部門



■2輪総合成績

順位 ライダー      車両              タイム
1  R・サンク       KTM           27時間25分27秒
2  C・ドスプレ      KTM              11分03秒
3  F・メオーニ      KTM              37分34秒
4  J・ブルーシー     KTM              47分41秒
5  J・ドアゼベド     KTM              55分10秒
6  C・デガバルド     KTM           1時間09分35秒
7  P−G・ランドマーク  KTM           1時間24分59秒
8  P−A・ウレバルスター KTM           1時間27分49秒
9  M・コマ        KTM           1時間53分36秒
10 M・ダブロウスキ    KTM           1時間59分03秒
14 三橋 淳       ホンダ          3時間30分05秒




■トラック総合成績

順位 ドライバー     車両                タイム
1  G・デルーイ     ダフ            31時間09分25秒
2  V・チャグイン    カマズ              1分52秒
3  A・ドアゼベド    タトラ              39分01秒
4  J・デルーイ     ダフ            2時間19分28秒
5  F・カビロフ     カマズ           2時間22分05秒
6  菅原 義正      日野レンジャー       5時間20分57秒
7  G・ピシェルバウワー マン            6時間32分21秒
8  F・エクター     マン            9時間22分37秒
9  J−P・ボソネット   メルセデス         9時間25分39秒
10 H・ベックス     ジナフ           9時間55分56秒




■4輪SS成績

順位 ドライバー      車両(カッコ内は部門)         タイム
1  増岡 浩        三菱パジェロエボリューション(2)3時間46分36秒
2  S・ペテランセル    三菱パジェロエボリューション(2)   2分46秒
3  J−P・フォントネ    三菱パジェロ(2)           10分12秒
4  M・ビアシオン     三菱パジェロ(2)           11分08秒
5  A・バタネン      日産ピックアップ(2)         12分46秒
6  J・クラインシュミット VW・ターレック(2)          15分00秒
7  J−M・セルビア     シュレッサー・フォード(2)      15分16秒
8  S・アンラール     VW・ターレック(2)          19分55秒
9  G・ドメビウス     BMW・X5(2)             22分03秒
10 C・スーザ       三菱ストラーダ(2)          23分50秒
41 片山 右京       トヨタ・ランドクルーザー(1)  1時間37分09秒
54 尾上 茂        スズキ・エスクード(2)     2時間21分25秒
59 浅賀 敏則       トヨタ・ランドクルーザー(1)  2時間55分30秒




■2輪SS成績

順位 ライダー       車両               タイム
1  P−G・ランドマーク   KTM            4時間22分22秒
2  C・ドスプレ      KTM               3分47秒
3  R・サンク       KTM               4分34秒
4  C・デガバルド     KTM               4分36秒
5  M・コマ        KTM               4分40秒
6  J・ブルーシー     KTM               5分38秒
7  J・ドアゼベド     KTM               8分13秒
8  P−A・ウレバルスター  KTM               11分13秒
9  J・ツァショー     KTM               17分03秒
10 M・ダブロウスキ    KTM               18分31秒
20 三橋 淳        ホンダ             40分41秒




■トラックSS成績

順位 ドライバー     車両                タイム
1  A・ドアゼベド    タトラ            4時間54分40秒
2  V・チャグイン    カマズ               2分30秒
3  F・カビロフ     カマズ               3分10秒
4  J・デルーイ     ダフ                6分02秒
5  G・デルーイ     ダフ               22分10秒
6  菅原 義正      日野レンジャー          35分51秒
7  G・ピシェルバウワー マン               44分44秒
8  K・ビューレル    メルセデス            53分32秒
9  F・エクター     マン               54分42秒
10 C・パットノ     メルセデス            59分45秒




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