2007年ル・マン24時間レース:決勝
第75回ル・マン24時間レースは16、17の両日にかけて、フランス、ル・マン市のサルテ・サーキット(1周13.625`)で行われ、アウディT D I のフランク・ベイラ、マルコ・ベルナー(ともにドイツ)、エマニュエル・ピロ(イタリア)組が優勝した。アウディはディーゼル車で2連勝、通算7度目の優勝。
2位にはプジョー908HDi のペドロ・ラミー(ポルトガル)、ステファン・サラザン、(フランス)、ステファン・ブールダイ(フランス)が入った。
ディーゼルパワーのアウディ3台、プジョー2台がエントリー。ル・マンは久々に盛り上がりを見せた。
レースはまさにサバイバル。両ワークスとも1台ずつが生き残る厳しさだった。
レースの序盤はアウディが1、2、3を確保して周回したが、3号車のマイク・ロッケンフェラーがスタートから90分後、濡れたコースでスピン。タイヤ壁に衝突して戦列を去った。3対2から2対2と五分の勢力となった。
アウディに不運はまだ続いた。「夜明けを迎えた車はチェッカーを受けられる」と言われたのは、遙か昔のル・マンだ。流すように車をいたわるドライブでは勝てない。16時間に渡ってレースを支配してきたアウディ2号車は、カペロ(イタリア)がミュルサンヌのコーナーからインディアナポリス・コーナーへの高速部分で左リアホイールが脱落。時速約270`で大きくスピンし、タイヤバリアにぶつかって大破した。
この直前には同じ車でアラン・マクニッシ(英国)が3分27秒204の最速タイムをマークしてハンドルを譲ったばかりで、惜しいリタイヤとなった。
これでアウディは2台を失った。
F 1、インディ、ル・マンの“3冠王”を達成したのは60年代から70年代にかけた活躍したグラハム・ヒル(英国)だけ。それに並ぼうというビルヌーブの野望は、一時は2位まで上がり達成の可能性さえ見えたのだが残り100分で消えた。エンジントラブルで走行は不可能となった。
アウディのベイラ組はチェッカーが迫った23時間過ぎから降り出した雷雨の中を飛沫とともに走り続け、伝統のル・マンを制した。予選段階から雨の多い今年のル・マンだったが、観客は26万人に達した。54台がスタートしたレースは、24時間を終わって半数近い25台が走行を全うできなかった。
筆者:中島 祥和 筆者HP