第7戦 カナダGP:決勝
F1のカナダ・グランプリは8日、モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで行われ、ロベルト・クビカ(ポーランド、BMWザウバー)が、GP初勝利を飾った。BMWも初優勝。2位もニック・ハイドフェルド(ドイツ、BMWザウバー)、3位にデビッド・クルサード(英国、レッドブル)だった。
レースは19周目のピットレーンで大きな節目を迎えた。クラッシュした車を移動するためマーシャルカーがコースに入り、上位走行中の車は次々とピットイン。給油、タイヤ交換などを行った。
このときのレースでの順位はルイス・ハミルトン(英国、マクラーレン・メルセデス)、クビカ、キミ・ライッコネン(フィンランド、フェラーリ)で、ハミルトンはペースカーの入るタイミングと合わず、2人から1周あとにピットイン。再スタートしたがピットレーン終了点、コース進入路の赤信号で止まっていたライッコネンに追突。ハミルトンはフロント、ライッコネンはリアにダメージを受けて2人ともリタイヤとなった。目を疑うようなトップ・ドライバーのミス。
「なにが起こったのか分からなかった。十分なリードを取っていたので、勝てる状況だった。前の車が突然、止まった。赤信号は見たが、その時には遅すぎた。キミをレースが出来ないようにしてしまったことをお詫びする」とハミルトンは言った。
止まっているときに“ドカン”と当たられたライッコネンは驚く。これもまた予期しない事態だった。
「勝てるチャンスを潰されたが、ルイスのことを恨んではいない。それにしてもルイスは馬鹿げたことをしたもんだ。どうしてあんなことをしたのか、全く不可解だね。もちろん私もルイスを非難するほど完璧な人間ではない。しかし、レース中の接触とは違い、ピットレーンの赤信号だ。全く不可解だよ」とライッコネン。2週間前のモナコで4位を走行中のアドリアン・スティール(ドイツ、フォース・インディア)に追突し、おそらく今シーズンたった1度だけ訪れたフォース・インディアの4位入賞をフイにしたのは、ライッコネンだった。
優勝したクビカは言う。
「キミと並んで止まっていた。その時、大きな音がして、ルイスの車がキミのリアウイングに乗り上げていた。なにが起こったのかと思ったよ。振り返るとぶつかってきたのが私の車じゃなくてよかった」
ハミルトンは次のフランスGPで予選結果から順位を10番下げてスタートするペナルティを受けた。マクラーレンのロン・デニス代表もハミルトンも、この裁定をそのまま受け入れた。
終盤まで4位にいたルーベンス・バリチェロ(ブラジル、ホンダ)はスリップして7位に落ち、トヨタのティモ・グロック(ドイツ)が4位、フェラーリのフェリッペ・マッサ(ブラジル)が5位、トヨタのヤルノトゥルーリ(イタリア)は6位入賞。日本の中嶋一貴(ウィリアムズ・トヨタ)は46周でリタイヤ。7台が戦列を去る荒れたレースだった。
筆者:中島 祥和 筆者HP