F1問題くすぶる
FIAとF1参戦メーカーの潜行した戦いが続いている。F1をプロモートするバーニー・エクレストンFOCA会長は、12月11日にドイツで開催予定の欧州自工会(F1参戦メーカー)との話し合いをキャンセルした。フィナンシャル・タイムズが報じたもので、07年以降F1に対抗する組織としてF1参戦メーカーなどによって結成されたGPWC(グランプリ・ワールドシリーズ)側が、エクレストン氏の提案に関心を示さないためとしている。
この提案は参戦メーカー側にF1GPを運営する権限を大幅に持たせるというものだった。しかし、GPWC側はチーム、商用権所持者、FIAの間で結ばれた“コンコルド協定”が07年で切れるのをきっかけに、F1に対抗するグランプリ・シリーズを組織・開催するとしている。
FIAのマックス・モズレー会長は、こうした対立を避けるためスポーツカー・マニュファクチャラーズに対し、選手権シリーズは認めるが、それがF1に代わるものであってはならない、と圧力をかけ始めているが、マニュファクチャラーズ側は、対抗するシリーズ開催の計画を引っ込める気配はない。
自動車メーカー側はF1参戦の10チームと深く関わっている。フィアットはフェラーリを所有。BMWはウィリアムズとパートナー、メルセデスはマクラーレンの株式を保有、ルノーは自社、フォードはジャガーを保有している。ヨーロッパ自工会に所属していない日本のトヨタは自社、ホンダはBARに深く関与している。さらにフォードはミナルディに、フェラーリはザウバーにエンジンを供給している。
F1の放映権はエクレストン氏の個人会社SLECから75%の株式をドイツのキルヒ・グループとEM・TVに売却したが、同グループは今年破産。バイエリッシ・ランデスバンク、JPモルガン、レーマン・ブラザーズなどの銀行が管理している。銀行側は放映権の売却先を探しているが、見通しははっきりしていない。フェラーリのルカ・ディモンテゼメロ社長は「パワーバランスは100%はっきりしていない。F1の一時代は終わった。よりプロフェッショナルなマネージメントが必要だ」と語り、FIA、エクレストン氏側の主張を拒否している。
筆者:中島 祥和