法治国家
日本は法治国家であり、道路に速度制限がされていればそれに従うのは当然だ。これを破れば法律違反。当然罰せられる。
赤旗法
昔、初めて日本に自動車が導入された時に、時の行政はその危険性を知らせるため、車の走る前に赤い旗を持った人を走らせ「車が来るぞ〜!」と叫ばせながら走らせたと言う。自動車が殆ど往来をしない当時では、通行人に車が来るのを予め知らせるのは必要な処置だったのだろう。ただし、自動車としての効率はひどく悪い。なにしろ走る人間と同じ速度しか出せないのだから。
だが、この「赤旗法」はその後撤廃される。当然効率が悪く、また車がそれほど危険ではないと理解されたのだろう。この「赤旗法」も不要な悪法だとわかり撤廃されたものだ。このように実態と合わなくなった法律は撤廃するか改正すべきものだ。では、今の速度規制は正しいのだろうか。
アウトバーンでも制限速度
実は、私は海外に出るまでは、日本の制限速度は「正しいもの」と信じ切っていた。100km/hの速度は凄い!「何しろ100km/hなのだから」と、思いこんでいた。 が、数十年前だが、当時の西ドイツに行き驚いた。まず、アウトバーンだ。文字通り制限速度はない。びゅんびゅんと速い車は200km/h近くで走っている。が、それでも整然とマナーよく、走り、事故も特に見られなかった。勿論、全ての車がこの200km/hで走っている訳ではない。遅い車は100km/hの車もいれば、130km/h程度の車もいる。制限速度がないと書いたが、実はトラックには80km/hの速度制限がされている。なる程、これはもっともだ。何しろ車重が乗用車の10倍以上もあるのだから、その運動エネルギーは10倍も持っている。
先日も高速道路で酔っぱらった大型トラックが確か、渋滞で停止中の乗用車に追突し、可哀想に幼い子供二人が焼死すると言う、悲惨な事故があった。あの重量で追突されたのではたまらない。
12.5倍の運動エネルギー
運動エネルギーは車重に速度の二乗を掛けたものに相当する(正確には重力加速度で割り、更に2で割るが、比率は同じ)。つまり速度の二乗に比例するので、ドイツが100km/hではなく、あえて大型トラックを80km/hにしたのもこれらの物理的ロジックがあってのことなのだ。
ここで、25トンのトラックが80km/hで走行した時のエネルギーは2トンの乗用車が100km/hで走行した時の8倍ものエネルギーを持っている。更にトラックが100km/hの速度の時は12.5倍となる。
では、乗用車がもし、200km/hで走行したとすると、そのエネルギーは速度の二乗に比例するので、100km/hのエネルギーの4倍となり、これでも、大型トラックの1/3以下なのである。
アウトバーンでは、この運動エネルギーを考慮してギリギリトラックには80km/hの制限速度を与えたのだろう。それ以下では輸送効率が悪くアウトバーンの意味がなさない。安全性と効率を考えてのことであろう。 (続く)
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