エンジン出力は“トルク”と“馬力”で表現
“トルク”は“時給”
エンジンが回転して発生する“力”は“トルク”と“馬力”と言う形で表現される。トルクは“回転力”を表わすものだ。
ヨットでは帆を上げたりするのに、各種のロープをウインチで引っ張る。アメリカズカップのクルーは腕っぷしの強いレスラーなんかが乗っているらしい・・・。
その手動のウインチを例にすると、ロープを巻き取るのに、アームの先のハンドルをグィーッと回す。軸からハンドルまでの長さを0.5mだとし、5kgの力で回すと、軸のねじる力は、5kg×0.5mで2.5kgmになる。これがトルクだ。
この2.5kgmの力でウインチを回すと、ロープが巻き取られ、半径がアームと同じ0.5mのウインチが1回転すると、0.5×2π=3.14m、ロープが移動す
る。
もし、1秒間に1回、回したとしたら、1秒間に3.14m移動する。
このローブの先にはヨットの帆が付けられているのだが、ロープが動くことにより、腕で回した力(トルク)は“仕事”をしたことになる。
これは、何となく、時給(トルク)と日給(馬力)関係に似ている。時給1000円のフリーターが、もし、8時間働くと8000円の“仕事”をすることとなる。人によっては1日12時間の人もいるだろう。働く時間はエンジンの回転数と同じ。
回転数が高いエンジンはパワーが出る。
つまり、トルクも馬力も元は同じ力のことを言っているのだが、時給か、日給かの差による違いみたいなものだ。が、馬力その仕事の率を言うものだ。
高速トルク型
上記の例で判るように、パワーそのものを出すにはやはり回転を高くするのが有利。
トルク×2π×エンジン回転数/75=馬力
(1馬力は75kgの重さを1秒間に1m持ち上げる、から、75で割って馬力に換
算する)
上記の式でパワーは出るからだ。
ただし、高回転型エンジンだとどうしてもトルクも高回転域にピークが移動すると、その回転に達するまで、加速が緩慢(低回転ではトルクが低いのでパワーも低い)になってしまい、低回転域が使いにくく、スタート直後など、加速が鈍い傾向があり、またそれから高いトルクバンドにを保つには、常に高いエンジン回転をキープ必要がある。ただし、回転が上がってもまだまだ加速してくれ、とても気持の良いエンジンだ。S2000のエンジンなどがいい例だ。トルクピークは何と7500rpmとフツーのエンジンより3000rpmも上にある。またパワーも2リッターながら250PS/8300rpmとリッター125PSのレーシングマシン並みのものだ。
低速回転型
実用的な一般車のエンジンはこの特性だ。2000rpmぐらいからも充分なトルクを出す(従ってパワーも高い)。スタートしてからグーッとと力強い加速感があり、使いやすい。ただし、5000rpm以上になるとトルクがドロップするので、加速が伸びなく何となく気持ちよくないというディメリットもある。また、回転が回らないので絶対的なパワーは当然低い。
低燃費エンジンは出切るだけエンジンの摺動抵抗を出さないよう低回転型にし、回さないようにしている。
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