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その他のエッセイ
ホンダ新世代エンジン
新世代エンジン  ホンダから「新世代1.3L 4気筒エンジン」として「i−DSI」が開発されたのはCar Worldのトピックスでも既にお伝えした通りだ。このエンジンの大きな特徴は点火プラグを2本もっていることだ・・・。が、これでは特に珍しくもなんともない。アルファをはじめツインプラグエンジンは多々ある。だが、ユニークなホンダらしいひねったエンジンなのだ。
尚、「i−DSI」の名称は、iは知能をもったiシリーズの略、DSIはDual &Sequential Ignition (2点位相差点火) の略。

 エンジンの基本は2バルブ、ツインプラグエンジンはOHC、2バルブでプラグは丁度、4バルブの時にあるもうひとつのバルブ位置に付けられていて、対角線上にある。排気側のプラグと吸気側プラグとに分かれる。
 このエンジンはコンパクトな燃焼室をもつために、インテークとエクゾーストバルブは30度と狭い挟み角とされている。 コンパクトなヘッドは燃焼室が小さいのでプラグから隅々まで火炎の伝播時間が短く、短時間で燃やせるのだ。また、燃焼後の残ったガスの量も少なく、燃焼した時のエネルギーが熱として伝わって逃げる量が少なく、エネルギー効率も高い。

エンジン回転により、点火タイミングを変更
ツインプラグ  シリンダー内で点火して燃焼させるには出来るだけピストンが上死点に行く付近で点火し、ピストンが下がる寸前で最大圧力にして一気に押し下げるのが効果的だ。が、プラグから一点に点火してそれが燃焼室内全体に燃え広 がるのは一瞬ではなく、時間がかかる。燃焼に時間がかかるので、フツー、高回転領域では点火時期を早め(進角)て、ピストンが上昇途中に点火して丁度ピストンの下降に最大の燃焼が起きるようにしている。
 当然、低回転では点火タイミングを遅く(遅角)しないと、ピストンのスピードが遅いので、ノッキングしてしまう。これはどのエンジンでもやっているエンジン回転に対する点火タイミングの進角、遅角で、別に珍しいことではない。

 ツインプラグで燃焼速度を速める 点火を2箇所からするので、当然全部の混合気が燃えるのはそれだけ速くなる。何故、燃焼が速いほうがいいかと言うと、風船を膨らませて限界点で破裂させる時、一気に空気が外に漏れた方がびっくりさせるには効果的だ。その方が”バーン”と音も大きく驚かせられる。
もし、これが小さな穴が空いていて同じ容積の風船の空気を出しても”す〜っ”と音なしの屁みたいなもので、迫力がない。つまり、エネルギーを貯めて一度に使うのでなく、徐々にエネルギーを放出するので威力が弱い。
 そこで、エンジンも出来るだけ短時間に燃焼させた方がエネルギー効率がいいのだ。で、2箇所から点火し、燃焼時間をほぼ半分にしようと言う狙いはそのひとつだ。

位相差点火
位相差点火  ホンダの凄いのはこのツインプラグの点火を一度に同時点火するのではなく、エンジンの回転数により点火タイミングをそれぞれ別々に時間差をつけたことだ。日本の女子バレーに時間差攻撃と、言うのがあったが、まさにその時間差点火だ。
 フツーの点火だと、低回転で点火タイミングを遅くし、高回転領域では進角させる。が、このエンジンは少々違う。 
 低、中速の状態だと、吸入した混合気は比較的燃えにくい。気流の勢いもあまりない。ただし、排気側の付近は排気バルブの関係で温度が高く、また撹拌もされていて比較的燃えやすい。
 そこで、燃えにくいインテーク側のプラグを先(進角)に点火して置き、次に燃えやすいエキゾースト側プラグを遅めに(遅角)点火させる。これで、一つのプラグの時より、トータルで短時間に燃焼出来パワーが出ると言う訳だ。 4気筒にツインプラグなので、イグニッションコイルは何と8個もあり、コンピューターで負荷と回転数に合せて細かく点火タイミングをコントロールするのだ。

ハーフスロットル
低回転−中回転
吸気側:進角点火
排気側:遅角点火

中回転−高回転
吸気側、排気側:同時点火

フルスロットル
低回転
吸気側:進角点火
排気側:遅角点火

中回転
吸気側:進角点火
排気側:更に遅角点火

高回転
吸気側、排気側:同時点火

低速トルクが高まり、パワーアップされた新型エンジン
出力特性  ロゴなどに搭載されていた1.3リッターエンジンの66PS/11.3kgmに対して、86PS/12.1kgmと20PSものパワーアップになっている。トルクは全体に太り、更に低回転領域のトルクが特に高く、使いやすいエンジンだ。近々に新型のフィットなどに搭載されるだろう。
勿論、ツインプラグ方式だけで、このパワーアップになったのではない。コンパクトな燃焼室が高圧縮比化を可能にしこれの貢献も大きい。またスワール効果などで10・15モード燃費(km/l)も18km/lから何と、23km/l(CVT)!と向上。また、「優−低排出ガス」も実現したとしている。コンパクトで小さくなったエンジンの単体の重量は86kgから79kgと軽量化もされた。
 速くこのエンジンをトライしてみたいものだ。
筆者:津々見 友彦 Update:2001/6/1




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