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ショートコラム
7月のコラム:トヨタ福祉車両「Welcab」
 先日、AJAJ(日本モータージャーナリスト協会)とトヨタさん主催の福祉車両の勉強会に参加しました。
 トヨタでは、福祉車両は「Welcab」と呼びます。福祉を意味する「Welfare」とクルマの「 Cabin」を合わせた造語ですが、この「Welcab」の総合展示場「トヨタ ハートフルプラザ」を全国9箇所に展開しています。
 誰でも身体が不自由になっても、健常者と同様の生活をしたいですよね。
 もし、自分が事故などで歩けなくなったら!運転できなくなったら!と、考えただけでも気が滅入ります。
 でも、今回の勉強会で、万一、身体が不自由になっても、健常者と同じように運転も出来るんだ!と、思いとても心強い勉強会でした。

 福祉車両は「介護式」と「自操式」とに分かれるんですね。「介護式」は高齢者や障害のある人が、“乗せてもらう”クルマのことです。「自操式」は“自分で運転する”クルマのことです。
 「介護式」のひとつのタイプは助手席のシートが回転するもので、プリウスの助手席が回転し、乗り降りしやすくなってました。
 ただ、このままでは車椅子に乗りおりが大変です。そこで更に、別バージョンでは電動で、助手席シートが回転し、更にそのまま車外までせり出し、低い位置まで下がり、車椅子に乗り込みしやすいタイプがありました。 更にそのクルマのシートが電動で自走するものもあります。後部座席から、そのまま電動で車外までせり出し、そのまま走り出せます。これは楽ですね。介護の人が楽なので、本人も気遣いせずに精神的にも肉体的にも楽だと思います。

 また車椅子はリヤの荷室(イプサム)には電動ウインチが付けられていて、手軽に女性でも収納できる仕掛けとなってました。
 もうひとつ便利なのはリヤにリフトを持っているタイプです。このタイプで使いやすいなと思ったのは、リフト上に車椅子を乗せた時に、そのまま車椅子をロックし、更に3点シートベルトをその場で装着出来ることです。リフトにタワーがあり、3点シートベルトの装着が可能なので、狭い室内で介護員が作業する必要がなく便利。リフトを上げるとそのまま後席に収まり、出発出来ます。

 もう少し手軽にリヤから車椅子のまま乗り入れが出来るのが、“リヤスロープ”タイプです。展示のVOXYにはリヤサスに仕掛けがあり、強制的にリヤサスを縮めて“ニーリング”(膝を曲げる)して、後部を低くします。そして、電動で“歩み板”がスルスルと伸びてきて、車椅子はウインチで引き上げられ、これも比較的簡単に車椅子のまま、車室に乗り込めます。

【抜群に便利!「自走シート付き自操式」】
 これは便利だ!と、意を強くしたのが、「自操走式」の自走型電動車椅子です。
 この電動車椅子は丁度、ドライビングシートに電動の車輪が付けられた、と、言うイメージ。クルマの横に来て、助手席のベースステーションをリモコンで横に呼び出します。そして、バックでそのベースの上に乗っかりドッキングし、まず助手席に収まり、次に横にスライドして、見事運転席に座り込むと言うもの。これなら、自分一人で乗りこめるので便利。将来、何かあったらこれだな!と心強く思いました。

【難しいスティックドライブ】
 脚部が不自由なドライバーのために、スティックでアクセルとブレーキ、そしてウインカーをなどをコントロールします。
 ステアリングホイルには丸い突起のグリップが飛出しそれを右手で握ります。
 Uターンなど大きく連続してステアリングホイルを操作する時には片手でぐるぐる回すためです。
 コントロールスティックを前に倒してロックボタンを押し、ブレーキを掛けてからエンジンスタートします。サイドブレーキを外し、コントロールスティックのロックを外しニュートラル位置し、軽く手前に引くとアクセルが開き前に進み出します。
 が、アクセルコントロールがなかなか難しいのです。引きすぎるとグーッと力強く飛出しすぎ、右足でコントロールするアクセル・ぺダルのようにスムーズに行きません。
 繊細に、スティックを操作するのには結構腕の力が要ります。また、バネに抗して引くので、腕に疲れそうになります。更に身体がぐら、ぐらするとスティックもグラグラ前後するのでまた走りがスムーズさを失います。
 ブレーキも同様。強く押し過ぎると、カックンブレーキになり、とても下手くそな運転になってしまいました。

【難しい突起型グリップのハンドリング】
 更にUターンが難しいのです。グルグル回る突起型の丸いグリップを握ってステアリングホイルを回しながら、ブレーキングしてからスムーズにアクセルを開いてUターンするんですが、健常者が掌でステアリングのグリップを握っている時は細かなステアリング操作が出来ますが、突起型グリップではあまりにもグリップがスムーズにグルグル回るので、細かな操作がやりにくいのです。
 もう少しグリップに渋味があると細かく操作する時に力が不要なのですが、殆ど抵抗なくグルグル回るので、逆に力を入れてコントロールしないと正確に操作出来ません。で、結構疲れます。
 馴れなかったせいもあるのでしょうけど、とても市街地をこのステアリンググリップとコントロールスティックで走れる自信はありませんでした。
 街でよく、ハンディキャップのマークを付けたドライバーを見ますが、彼等は健常者と比較してとても難しいドライビングをしていることが判りました。なので、ハンディキャップドライバーの前では急ブレーキを掛けたり、急に割り込んだりしないように、健常者ドライバーは気配りをしてあげるのがマナーだなと強く感じました。
 皆さんも是非彼等を回りでそっと優しくサポートするドライビングをしませんか。


シートが回転し、乗り降りがしやすい。


電動で自走するクルマのシート。


難しいコントロールスティック。前に倒すとブレーキ、手前でアクセル。角のように左右にあるのはウインカーレバー。横にハザードスイッチ。手前表面にある横長のボタンはブレーキロックボタン。


電動ウインチで重い車椅子も簡単に収納出来る。


クルマから自動で降りて、そのままクルマのシートが電動で自走。介護者に負担を掛けず、ハンディキャッパーもストレスがない。


リフトに乗りこむとその場で3点シートベルトも締められとても便利


まず、助手席位置に乗り込む。


助手席から運転席に横にスライド、その後自分で運転してクルマで移動出来る。
筆者:津々見 友彦 Update:2007/7




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