|
イスト (ist)
筆者:津々見友彦
 |
独断評価
|
| | 1.5S | 1.3F |
| エクステリア |      |      |
| インテリア |      |      |
| 動力性能 |      |      |
| 操縦性 |      |      |
| 制動性 |      |      |
| ミッション |      |      |
| 静粛性 |      |      |
| 乗り心地 |      |      |
| ユーティリティ |      |      |
| コストパフォーマンス |      |      |
| 総合評価 |      |      |
|
|
ヴィッツを筆頭とする一連のニュー・ベーシック・カーシリーズの第7番目の車がイストだ。bBが少々ワルな男の子のイメージを強めた車だったが、このイストは男女差を意識させない車だ。昨年の東京モーターショーで発表され、完成度が高かったものだが、5月8日から発売された。
ヨーロッパ仕様のヤリスやファンカーゴなどのアンダーボディを主体にチューニングされた足を持つもの。バリエーションはFF、2WDに1.5Sと1.3F、そして4WDに1.5Sと1.5Fの4種類。今回はFF1.5Sと1.3Fを試乗した。
|
<エクステリア>
力強く精悍なスタイリング
185/65R15とこのクラスとしては大径タイヤを履き、ぐっと張り出したブリスターフェンダーのためにスポーティーで迫力のあるスタイリングだ。かたまり感のあるイメージはなかなか端正な雰囲気でいい。フロントマスクも精悍で、2ボックスながらSUVとのクロスオーバーボディを品良く仕上げている。
|
<インテリア>
質感の高いインテリア
メーターはセンター・メーターだ。正面ににないメーター類は個人的にやや気になるものの、デザイン的にはなかなか成功している。
もっともメーターそのものは黒い文字盤のタコメーターとホワイトメーターのスピードメーターはどうしても明るいスピードメーターに視線が行きやすく、ややタコメーターが見にくいのは気になるところ。
細かなエンボスの入ったダッシュパネルはデザイン的に綺麗だ。ナビディスプレイ位置は高く見やすい。その両サイドにはかなりアクセントの強いシルバーリングのベンチレーターがあり個性的。
エアコンなどの操作性もよくまた一目でそれと認識できる。
--ドライビングシート--
サポート性のいいフロントシート
バケットシートは優れもの。フィット感が抜群によく包み込み感があるので、ロングドライブでも疲れない。スポーティー度の高いシートでこれは気に入った。
ルーフまでのゆとりは私の座高で14cm程度。このクラスとしてはまずまずのゆとりだ。
ドアサイドのアームレストも位置やサイズもよく使いやすい。もっとも多少固めで、もう少しソフトだと更にいいのだが。
--リヤシート--
多少ソフトめのバックレストだが、背中の上部まで支えてくれ、形状、角度やドアサイドのアームレストの位置も良かった。天井までの私の座高のゆとりは12cm程度で標準的。特に不満はなく、ニースペースは16cmと広めでこれもいい。そしてフラットなフロアーがまた広々と好印象だ。
|
<動力性能>
大きく不満のない動力性能
エンジンはbBやファンカーゴ同様の1.5リッターの4気筒エンジン、1NZ-FE型を搭載する。もっとも、正確なパフォーマンスは80kw(109ps)/6,000rpm,141Nm(14.4kgm)4,200rpmと1PS低いが、その代わりこのエンジンとしては初めて「2010年燃費基準」をクリアーし、「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」の超−低排出ガスマークを取ったもの。ピストンリング位置の改良とエキゾーストマニフォールド等のモディファィで達成したが、これで、快走を続けるライバル、フィットに一歩近づいた。
動力性能は2,000rpmからでも低速トルクはありATとのマッチングもいいので、使いやすいものの、活発な加速性能が出てくるのは3,000rpmを超えてからだ。ファンカーゴより軽量なボディのためもあり、0-400加速はギリギリ18秒台にも入りそうな雰囲気で、フツーに使ってストレスのない性能を持っている。
エンジンは4気筒、DOHC,16バルブの2NZ-FE(64kw(87ps)/6200rpm,121Nm(12.3kgm)/4,400rpmを搭載。4速ATとの組み合わせながら、停止からの発進も1000kgの軽量なボディとの組み合わせでいらいらせずに軽快にスタートしてくれた。2,000回転から4,500回転付近までのトルクはなかなか高い。もっともさすがに5,000回転からは大人しいが、使いやすい実用的な低、中速トルクをもたせていた。0-400加速の雰囲気は19秒台あたりで、このクラスとしては標準的で大きく不満はない。
|
<操縦性>
ヨーロピアンテイストの操縦性
一回りサイズアップされた185/65R15のミシュラン、MXEを履き、サスはフロントにストラット、リヤはトーションビーム式コイルのお馴染みのものだが、フロント、リヤにスタビライザーを与えヨーロッパ仕様ヴィッツとも言えるヤリス系のしっかりした足を持つ。リヤバンパーなどの補強でボディ剛性を高め、操縦安定性に振った設定がされている。
確かに、ハンドリングはずばりいい。ロールも押えているものの、ガチ、ガチ感はなく、しなやかながら腰のあるロール感のチューニングは流石。また、いたずらに微少舵角をシャープにして、ピリピリしたクイックな雰囲気で護魔化すのではなく、高速でもリニアリティが高く、安心感のあるヨーロッパ風の味つけはいい。
|
<制動性>
しっかりとコントロール性の良いブレーキ
フロントにベンチレーティッドディスク、また1.5Sにはリヤにもソリッドディスクが与えられ安心感が高い。ABS、EBD、ブレーキアシストの3点セットを持ち、効きの良さとコントロール性の良さが目立った。ナチュラルなフィールでよく効き安心感が高い。
|
<ミッション>
スムーズにシフトフィール
省燃費効果とドライブフィールを高める”フレックスロックアップ”を効かせる4速ATだ。マニュアル・モードなどはないもののDレンジでのシフトフィールはスムーズで快適に使える。
|
<居住性>
--静粛性--
静粛性もたかめ
気に入ったのはロードノイズやエンジンの透過音をよく押えていることだ。低速でも高速でもタイヤのノイズは小さく押さえられ、またエンジンサウンドも5,000rpmからは大きくなるが、絶対音は低く、雑音がなく不満のないノイズレベルと言える。
--乗り心地--
角の取れた乗り味
ロールを押えているにもかかわらず、乗り心地は実にマイルドでいい。タイヤ特性も良いのだろうが、快適だ。突起乗り越えの際も、衝撃はあるが、エッジを削りとった衝撃感で気にならない。
|
<ユーティリティ>
ラゲージルームのフロアーは特に深くはないものの、小型バッグ類なら3個程度は積める。また、アンダートレイがあり、深くはないが、小物なら、ボード(蓋)を開いて収納可能。また、このボードを立てると仕切り板になり、買いもの袋などを立てて収納出来、スーパーなどでの食料の買い出しの際などでは便利だ。また、リヤシートのバックレストは4:6で倒せ、荷室を簡単に拡大出来るのは言うまでもない。
--半透明ダンパー付き物入れ--
センター・コンソールにあるボックスは開くとアンバーの照明が点灯しムードがある。
CDなど5枚が収納可能。
--カップホルダー--
フロント2個、リヤ1個
|
<その他の目立った装備>
| エアバッグ | フロント左右の前面。 サイド・エアバッグはオプション設定。 |
| パワーウインド | 全席、オートで挟み込み防止付きなのは嬉しい。 |
|
|
<気に入った点>
知性的なスタイリング、高剛性のボディによるしっかりしたハンドリング。
<気になる点>
個人的には目の前がノッペラぼうなセンター・メーターは落ち着かない。
<まとめ>
腰によくフィットするフロントシートなど、スポーティーで全体にクォリティの高い車だ。ホンダフィットの快進撃を睨み、フィットキラーとして途中から開発変更された。
大型車との衝突のカーツーカークラッシュ対策、それに対人事故の際の歩行者損傷保護ボディなど、フィットに追いつく対策が盛り込まれた意欲作。
フィット独特の後席のユーティリティ性はないものの、居住性、動力性能では勝るとも劣らない。フィットキラーとなるか目が離せないコンパクトな5人乗り5ドアハッチ。価格1.5Sで160万円、1.3Fでは125万円とコストパフォーマンスの高い設定。お勧めの一台だ。
|
|
| 車種 |
全長 |
全幅 |
全高 |
ホイルベース |
トレッド 前 |
トレッド 後 |
乗車定員 |
駆動方式 |
| 1.5S |
3,855 |
1,695 |
1,530 |
2,370 |
1,455 |
1,435 |
5 |
FF |
| 1.3F |
| |
エンジン 容積(cc) |
KW(PS) |
最大馬力 回転数 |
Torque Nm(kgm) |
最大トルク 回転数 |
最少回転半径(m) |
10・15モード 燃費(km/l) |
| 1.5S |
1,496 |
80(109) |
6,000 |
141(14.4) |
4,200 |
5.3 |
16.4 |
| 1.3F |
1,298 |
64(87) |
121(12.3) |
4,400 |
18.0 |
| |
車重 |
W/P |
W/T |
C/P |
C/T |
P/L |
C/L |
価格 |
| 1.5S |
1,020 |
9.4 |
70.8 |
14.7 |
111.1 |
72.9 |
1,070 |
1,600 |
| 1.3F |
1,000 |
11.5 |
81.3 |
14.4 |
101.6 |
67.0 |
963 |
1,250 |
*価格は全て千円単位
- *W/P
- パワーウェイトレシオ 1PSあたりの車重(kg/ps)
- *W/T
- トルク・ウェイト・レシオ 1kgmあたりの車重(kg/kgm)
- *C/P
- コストパワーレシオ 1PSあたりの価格
- *C/T
- コストトルクレシオ 1kgmあたりの価格
- *P/L
- 排気量、1リッターあたりの馬力
- *C/L
- 排気量、1リッターあたりの価格。エンジンサイズに対する大凡の標準価格が推察できる。ただし、装備やグレードは無視。
- ●今回の試乗車のみのデータ
- ●価格はオプションを除いた値段
|
Update:2002/6/26
|
|
|