Copyright © 1999-2009 CarWorld, All rights reserved.
Inpression

イスト
(ist)
筆者:津々見友彦

イスト
独断評価
 1.5S1.3F
エクステリア★★★★・★★★★・
インテリア★★★★・★★★★・
動力性能★★★・☆★★★・☆
操縦性★★★★★★★★★★
制動性★★★★★★★★★★
ミッション★★★★・★★★★・
静粛性★★★★☆★★★★☆
乗り心地★★★★☆★★★★☆
ユーティリティ★★★★☆★★★★☆
コストパフォーマンス★★★★★★★★★★
総合評価★★★★・★★★★・
 ヴィッツを筆頭とする一連のニュー・ベーシック・カーシリーズの第7番目の車がイストだ。bBが少々ワルな男の子のイメージを強めた車だったが、このイストは男女差を意識させない車だ。昨年の東京モーターショーで発表され、完成度が高かったものだが、5月8日から発売された。
 ヨーロッパ仕様のヤリスやファンカーゴなどのアンダーボディを主体にチューニングされた足を持つもの。バリエーションはFF、2WDに1.5Sと1.3F、そして4WDに1.5Sと1.5Fの4種類。今回はFF1.5Sと1.3Fを試乗した。
<エクステリア>
サイドビュー リアビュー 力強く精悍なスタイリング
 185/65R15とこのクラスとしては大径タイヤを履き、ぐっと張り出したブリスターフェンダーのためにスポーティーで迫力のあるスタイリングだ。かたまり感のあるイメージはなかなか端正な雰囲気でいい。フロントマスクも精悍で、2ボックスながらSUVとのクロスオーバーボディを品良く仕上げている。
<インテリア>
ダッシュパネル メーター 質感の高いインテリア
 メーターはセンター・メーターだ。正面ににないメーター類は個人的にやや気になるものの、デザイン的にはなかなか成功している。
 もっともメーターそのものは黒い文字盤のタコメーターとホワイトメーターのスピードメーターはどうしても明るいスピードメーターに視線が行きやすく、ややタコメーターが見にくいのは気になるところ。
 細かなエンボスの入ったダッシュパネルはデザイン的に綺麗だ。ナビディスプレイ位置は高く見やすい。その両サイドにはかなりアクセントの強いシルバーリングのベンチレーターがあり個性的。
 エアコンなどの操作性もよくまた一目でそれと認識できる。

--ドライビングシート--
ドライビングシート サポート性のいいフロントシート
 バケットシートは優れもの。フィット感が抜群によく包み込み感があるので、ロングドライブでも疲れない。スポーティー度の高いシートでこれは気に入った。
ルーフまでのゆとりは私の座高で14cm程度。このクラスとしてはまずまずのゆとりだ。
ドアサイドのアームレストも位置やサイズもよく使いやすい。もっとも多少固めで、もう少しソフトだと更にいいのだが。

--リヤシート--
リヤシート  多少ソフトめのバックレストだが、背中の上部まで支えてくれ、形状、角度やドアサイドのアームレストの位置も良かった。天井までの私の座高のゆとりは12cm程度で標準的。特に不満はなく、ニースペースは16cmと広めでこれもいい。そしてフラットなフロアーがまた広々と好印象だ。
<動力性能>
  1.5S
エンジンルーム:1.5S 大きく不満のない動力性能
 エンジンはbBやファンカーゴ同様の1.5リッターの4気筒エンジン、1NZ-FE型を搭載する。もっとも、正確なパフォーマンスは80kw(109ps)/6,000rpm,141Nm(14.4kgm)4,200rpmと1PS低いが、その代わりこのエンジンとしては初めて「2010年燃費基準」をクリアーし、「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」の超−低排出ガスマークを取ったもの。ピストンリング位置の改良とエキゾーストマニフォールド等のモディファィで達成したが、これで、快走を続けるライバル、フィットに一歩近づいた。
 動力性能は2,000rpmからでも低速トルクはありATとのマッチングもいいので、使いやすいものの、活発な加速性能が出てくるのは3,000rpmを超えてからだ。ファンカーゴより軽量なボディのためもあり、0-400加速はギリギリ18秒台にも入りそうな雰囲気で、フツーに使ってストレスのない性能を持っている。

  1.3F
エンジンルーム:1.3F  エンジンは4気筒、DOHC,16バルブの2NZ-FE(64kw(87ps)/6200rpm,121Nm(12.3kgm)/4,400rpmを搭載。4速ATとの組み合わせながら、停止からの発進も1000kgの軽量なボディとの組み合わせでいらいらせずに軽快にスタートしてくれた。2,000回転から4,500回転付近までのトルクはなかなか高い。もっともさすがに5,000回転からは大人しいが、使いやすい実用的な低、中速トルクをもたせていた。0-400加速の雰囲気は19秒台あたりで、このクラスとしては標準的で大きく不満はない。
<操縦性>
ヨーロピアンテイストの操縦性
 一回りサイズアップされた185/65R15のミシュラン、MXEを履き、サスはフロントにストラット、リヤはトーションビーム式コイルのお馴染みのものだが、フロント、リヤにスタビライザーを与えヨーロッパ仕様ヴィッツとも言えるヤリス系のしっかりした足を持つ。リヤバンパーなどの補強でボディ剛性を高め、操縦安定性に振った設定がされている。
 確かに、ハンドリングはずばりいい。ロールも押えているものの、ガチ、ガチ感はなく、しなやかながら腰のあるロール感のチューニングは流石。また、いたずらに微少舵角をシャープにして、ピリピリしたクイックな雰囲気で護魔化すのではなく、高速でもリニアリティが高く、安心感のあるヨーロッパ風の味つけはいい。
<制動性>
しっかりとコントロール性の良いブレーキ
 フロントにベンチレーティッドディスク、また1.5Sにはリヤにもソリッドディスクが与えられ安心感が高い。ABSEBDブレーキアシストの3点セットを持ち、効きの良さとコントロール性の良さが目立った。ナチュラルなフィールでよく効き安心感が高い。
<ミッション>
スムーズにシフトフィール
 省燃費効果とドライブフィールを高める”フレックスロックアップ”を効かせる4速ATだ。マニュアル・モードなどはないもののDレンジでのシフトフィールはスムーズで快適に使える。
<居住性>
--静粛性--
静粛性もたかめ
 気に入ったのはロードノイズやエンジンの透過音をよく押えていることだ。低速でも高速でもタイヤのノイズは小さく押さえられ、またエンジンサウンドも5,000rpmからは大きくなるが、絶対音は低く、雑音がなく不満のないノイズレベルと言える。

--乗り心地--
角の取れた乗り味
 ロールを押えているにもかかわらず、乗り心地は実にマイルドでいい。タイヤ特性も良いのだろうが、快適だ。突起乗り越えの際も、衝撃はあるが、エッジを削りとった衝撃感で気にならない。
<ユーティリティ>
トランクルーム  ラゲージルームのフロアーは特に深くはないものの、小型バッグ類なら3個程度は積める。また、アンダートレイがあり、深くはないが、小物なら、ボード(蓋)を開いて収納可能。また、このボードを立てると仕切り板になり、買いもの袋などを立てて収納出来、スーパーなどでの食料の買い出しの際などでは便利だ。また、リヤシートのバックレストは4:6で倒せ、荷室を簡単に拡大出来るのは言うまでもない。

--半透明ダンパー付き物入れ--
 センター・コンソールにあるボックスは開くとアンバーの照明が点灯しムードがある。
CDなど5枚が収納可能。

--カップホルダー--
 フロント2個、リヤ1個
<その他の目立った装備>
エアバッグフロント左右の前面。
サイド・エアバッグはオプション設定。
パワーウインド全席、オートで挟み込み防止付きなのは嬉しい。
<気に入った点>
 知性的なスタイリング、高剛性のボディによるしっかりしたハンドリング。

<気になる点>
 個人的には目の前がノッペラぼうなセンター・メーターは落ち着かない。

<まとめ>
 腰によくフィットするフロントシートなど、スポーティーで全体にクォリティの高い車だ。ホンダフィットの快進撃を睨み、フィットキラーとして途中から開発変更された。
 大型車との衝突のカーツーカークラッシュ対策、それに対人事故の際の歩行者損傷保護ボディなど、フィットに追いつく対策が盛り込まれた意欲作。
 フィット独特の後席のユーティリティ性はないものの、居住性、動力性能では勝るとも劣らない。フィットキラーとなるか目が離せないコンパクトな5人乗り5ドアハッチ。価格1.5Sで160万円、1.3Fでは125万円とコストパフォーマンスの高い設定。お勧めの一台だ。

車種 全長 全幅 全高 ホイルベース トレッド 前 トレッド 後 乗車定員 駆動方式
1.5S 3,855 1,695 1,530 2,370 1,455 1,435 5 FF
1.3F
  エンジン
容積(cc)
KW(PS) 最大馬力
回転数
Torque
Nm(kgm)
最大トルク
回転数
最少回転半径(m) 10・15モード
燃費(km/l)
1.5S 1,496 80(109) 6,000 141(14.4) 4,200 5.3 16.4
1.3F 1,298 64(87) 121(12.3) 4,400 18.0
  車重 W/P W/T C/P C/T P/L C/L 価格
1.5S 1,020 9.4 70.8 14.7 111.1 72.9 1,070 1,600
1.3F 1,000 11.5 81.3 14.4 101.6 67.0 963 1,250
*価格は全て千円単位
*W/P
パワーウェイトレシオ 1PSあたりの車重(kg/ps)
*W/T
トルク・ウェイト・レシオ 1kgmあたりの車重(kg/kgm)
*C/P
コストパワーレシオ 1PSあたりの価格
*C/T
コストトルクレシオ 1kgmあたりの価格
*P/L
排気量、1リッターあたりの馬力
*C/L
排気量、1リッターあたりの価格。エンジンサイズに対する大凡の標準価格が推察できる。ただし、装備やグレードは無視。
●今回の試乗車のみのデータ
●価格はオプションを除いた値段


Update:2002/6/26



Copyright © 1999-2009 CarWorld, All rights reserved.