ファンカーゴ (FunCargo)
筆者:津々見友彦

今回、プラッツと共に発表されたヴィッツのトールカーの兄弟車。ただし、大きくモディファィされているので異母兄弟といったところ。
コンパクトサイズながら、広い室内スペースを持ち遊びに仕事に使えるユーティリティ性に富んだスペースカーだ。
全高はヴィッツより180mm高く(FF)、全長は3860mmでヴィッツより250o長くプラッツより285mm短いがホイルベースは130mm伸ばされ後席の居住性を高めている。グレードはラグジュアリーなG、ミディアムクラスのX、ベーシックなJの3種類、それにFFと4WDの2つのバリエーションがある。エンジンは1.3リッターと1.5リッターだが、1.5には110PSと105PSの種類があり、スポーティーなGには110PSエンジンが搭載される。ヴィッツをはじめこれらのシリーズ車に秘められたテーマは省燃費、省資源、安全などでこの小さな車に詰め込まれている。今回の試乗車はやはり走りの良いGのSパッケージ仕様を躊躇無く選んでしまった。
<エクステリア>
ヴィッツフェィスにワンボックスの後部を合体させたイメージだが、平凡になりやすい後部はブリスターフェンダーやテイルレンズのデザインで巧みにアクセントを付け、フロント部分の楽しいデザインと共に魅力的なスタイリングに仕上げてあり、思わず欲しくなる。
<インテリア>
--コクピット--

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フロントのルーフには便利なもの入れがある。サングラスやちょっとした小物が充分入る。
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曲線を使ったバイオデザインだが、ずばり巧い。宇宙船のように楽しく新鮮だ。メーターは円型のアナログでデジタル好きの私もやはりこの方が落ち着く。またにタコメーターが装備されているのは嬉しい。ATの場合特に必要はないのだが無いと寂しいのは何故だろう。エンジンの状態を目視でき安心感だろうか。ただし、ダッシュパネル中央部に位置するのはやはり反対。是非ドライバーシート正面に欲しい。安全性の意味あいからもだ。4速ATのセレクターレバーはコラムから出され、操作性も良い。また、ステアリングにはマニュアルシフトマチックが装備され、ボタンでシフトアップ、ダウンが出来、クルージングでは便利だ。
--フロントシート--
楽しいのはシートデザインもそうだ。デザインレベルも高く、これならヨーロッパの車もいらない。
フロントシートは見た目だけではなく座ると身体を包み込み微妙な背中の線にもマッチ。ルーフは高く広々とゆとりがありコンパクトなサイズの車を感じさせない。
--リヤシート--

リヤシートは一見薄く、座り心地が悪そうだが、ところが適度に固めで身体を預けやすく長距離でも疲れにくそうだ。ヒップ・ポイントもフロントより高いので視界が開け圧迫感がないのは嬉しい。3人掛けシートだが、2人掛けにして中央部を倒すと大型のトレイやカップホルダーに変化。但し惜しまれるのは位置が低いのでアームレストにはならない。長距離は是非欲しいのだが、左右のドアサイドには使い心地のよいアームレストはあるので救われる。ルーフは高く足元のレッグスペースも充分。これなら4人でロングツーリングも辛くはない。
<ユーティリティ>

3席のリヤシートは中央部のみ取り外すことも出来、また全てのリクライニングも可能。あっと驚く仕掛けは後席をそっくりフロアーに収納してしまう仕掛けだ。フロントシートを前にずらし、床のフロアーボードを外しその床穴にシートを滑り込ませ、ボードを乗せるとそれでおしまい。簡単にフルフラットな後部が出現し、アイディアものだ。
リヤゲートは右ヒンジで大きく軽く開き、女性にも扱いやすい。
| シートアレンジ |

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| リアシート床下収納状態 |
リアセンターシート取り外し状態 |
フロントシートフルリクライニング +リアシートリクライニング状態 |
--100V電源--
ダッシュパネル横には100V電源のソケットがあり、ノートパソコンや携帯電話等モバイル用品には有難い。また、後部には外部から100V電源で給電しその電源を利用できるソケットもあり現地での家電化も可能だ。

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フロントにある100Vのアウトプット。
これはバッテリィからコンバートするもので、大電流は使えないが、パソコン、携帯電話などの使用には耐えられる。
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100Vのアウトプットがあり、室内で家電が使える。
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ボディ後部にある100V電源の入力コンセント
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--カップホルダー--
フロントには勿論リヤのセンターシートに用意。
<動力性能>
エンジンは1.5リッターの1NZ−EF、110PS/6,000rpm、14.6kgm/4,200rpmの出力をもつ。加速感のいい力強いトルクは3,000からグイッと出て来て5,000rpmの間かトルクフル。0−400加速も17秒台には乗りそうで、プラッツに対して100kgも重くなっているが、ファイナルレシオを下げトルクを稼いでいるので、重さを感じさせない加速感だ。(当然燃費は低下するが)動力性能に不満はなく、快適に走れるのは嬉しい。4速ATのスーパーECTがスムーズにシフトアップ、ダウンする。特に下り坂では自動的に3速にシフトダウンしエンジンブレーキを掛けてくれるので有り難い。これに慣れるとシフトダウンしないATが使いにくく感じてしまう。
<操縦性>
ヴィッツに比較すると重く、また背が高いので操縦性に不安があったが一旦走り出すとそれは杞憂に終わった。予想以上に操縦安定性がいいのだ。タイヤはミシュランのMEXグリーン、175/65R14を履く。基本的にはやや大人しいハンドリングではあるが、45度舵角あたりからのレスポンスはしっかりとしていて扱いやすい。特にシャープではないものの、リニアリティ富み予測した通りにコーナリング出来るので安心感が高い。サスはこの車に対して充分なチューニングがされフロント、リヤにスタビライザーが装備されロールも落ち着いたロール速度で急なロールで驚くことはない。始終落ち着いたコーナリング姿勢で走れ、挙動の落ちつき感はプラッツよりもよい。ロングホイルベースが一役買っている様子だ。
<制動性>
ブレーキはフロントにベンチレーティドディスク、リヤはドラムだが、ブレーキアシストとEBD付きABSブレーキシステムは利きもよく安心感が高い。
<居住性>
--乗り心地--
突起乗り越えも衝撃は小さく総じて乗り心地は良好。不満はない。
--静粛性--
ロードノイズがよく押さえられラフな路面でもストレスがない。ボディ剛性と音の遮断にひと工夫があり、技術陣の苦労が忍ばれる。
総じてこのクラスとしては静粛性は高いと言える。
--車椅子仕様車--

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簡単に車椅子をリフトで持ち上げられる。(車椅子仕様車)
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車椅子での乗り下りを簡単に出来る「車椅子リフト」は喜ばれる。リフトでリヤゲートから簡単に車椅子と人をそのまま電動リフトで載せ、その後リフトはリヤゲートに自分のモーターで収納する。車椅子での外出が簡単になって利用者には吉報だ。
<まとめ>

スタイリングの楽しいトールカーだ。ファンカーゴのネーミングがあるために、デリバリーワゴンの商用車イメージがあったが、実際に乗って見ると乗用車的に使え、室内が広く、非常に気に入った。操縦性の良さ、動力性能の高さなどパフォーマンスも高い。
<価格>
2WD 1.3リッター J 124.8万円
2WD 1.3リッター X 129.8万円
2WD 1.3リッター G 148.8万円
4WD 1.5リッター J 146.8万円
4WD 1.5リッター X 151.8万円
4WD 1.5リッター G 168.8万円
Update:1999/9/12
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