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レガシィ(LEGACY)

津々見 友彦
津々見 友彦
<試乗記>

 フルモデルチェンジされたレガシィはルックスのみならず走りも洗練された。今回の試乗ではファンには見逃せないスポーティーなB4 2.0GT SpecBとツーリングワゴン 2.0Rを試乗した。


●インテリア

ダッシュパネル メーター
 コクピットのデザインは旧タイプに比較するとグッと整理され、スッキリした印象だ。メタリックイメージのセンター・コンソールにはオーディオ、エアコン、そしてシフト・ゲートタイプのセレクターレバーがある。
 ステアリングホイルはMOMOの3本スポークで、中央部にはスバルマークが入るもの。
 メーターはブラックパネルに白文字と赤いニードルの見やすい“エレクトロルミセント”メーターで、イグニッションをONにするとメーターの針が一旦フル・スケールを指すドラマチックな作法が楽しい。インテリアは全体に質感が高く高級な雰囲気だ。


●フロントシート

フロントシート
 シートは良く研究され、ヨーロッパ車のそれのように固めで程よく剛性感のあるパッドが使われ、GT系には電動のランバーサポート付きの8ウェイアジャスト仕様で、腰のサポート性も好みにアジャスト出来、腰椎が正しい姿勢を保ち楽だ。またサイドサポートも程よく包み込まれ、腰が固定され、ワインディングでのドライビングも楽だった。
 ヒップ・ポイントは低めに設定されているものの、アイポイントの位置は高めで視界は開け、前方視界に不満はない。
前後スライドは長く取られ、小さなピッチでアジャスト出来るので、より身体に合せ易くなった。
 ルーフまでの高さは小柄な私では20cm近くもありタップリと広く、かなりの大型なドライバーでも窮屈感はない。


●リヤシート
B4


リヤシート
 バックレストの形状が良いのが嬉しい。ランバーサポートもしっかりと腰を支えてくれている。またセンターアームレストも出せて、掛けやすいドアサイドのアームレストと共にゆったりと掛けられる。ヒップ・ポイントは高めなので、前方の開放感もあり嬉しい。
もっとも、フロントのヘッドレストに穴が空いているとさらに開放感が大きいだろうが。ヘッドルームは15cm程度。膝のゆとりは16cm程度あり、長身のドライバーもまず、不満はないだろう。

ツーリングワゴン

リヤシート
 リヤシートはワゴンのスペースを利用して旧タイプ同様リクライニングが出来、いつもながらロングツーリングではこれは有難い。


●動力性能
B4 2.0GT SpecB


エンジンルーム
 MT仕様には2リッター、DOHC,16バルブ、デュアルAVCS(可変バルブタイミング)ツインスクロールターボの206kw(280ps)/6,400rpm,343Nm(35.0kg-m)/2400rpm仕様のフラット4がマウントされている。
 殆ど新設計に近い改良が施されたエンジンは低速トルクが高く、使いやすい。殆ど2,000rpmから力強いトルクが立上がり、そのまま6,000rpm付近まで高いトルクが出ているという低・中速トルクタイプの使いやすいもの。また、高回転域まで引っ張っても振動がなくスムーズで気持ちよいのも新型エンジンの特徴だ。旧タイプのツインターボの場合は、4,000rpm付近で、プライマリーターボと2段目のセコンダリーターボの切り替わりポイントで谷があったが(後期モデルでは殆どこの点は小さくなっていたが)シングルターボのためにまったくトルクの谷を感じなく非常にフィールが良かった。また応答も不満がない。チタンブレードのタービンなどレスポンスを高めている。

 かって“スバルサウンド”と呼ばれた、あの“ドッ、ドッ、ドッ、ドッ”と言う個性的なサウンドは以前からなくなっていたが、新しい“スバルサウンド”は心地よいトーンがリヤの2個の大型マフラーから軽快に聞こえる。5速ミッションで0-400加速の雰囲気は14秒台に入る勢いで、ズバリ快速だ。1460kgと軽量なボディも勿論その速さの秘密だが、動力性能も確実に進化している。

ツーリングワゴン 2.0R

エンジンルーム
 2リッター、DOHC,16バルブ、AVCS(可変バルブタイミング)のノーマル・アスピレーションエンジンの出力はAT仕様では132kw(180ps)/6,800rpm、196Nm(20.0kgm)/4,400rpmと出力は向上している。(MT仕様は190ps)
 このエンジンも低、中速トルクタイプなのは変わりなく、やはり発進の時からトルクがあり、スムーズに加速し使いやすい。
 0-400加速の雰囲気は16秒台の様子で、すこぶる軽快だ。スムーズに7,000rpmまで回り、バイブレーションは小さく気持ちよい。


●操縦性
B4 2.0GT SpecB


ツーリングワゴン走行シーン
ムービー ムービー
(135Kb) (153Kb)
 サスペンションはフロントにストラット、リヤにはマルチリンクのレイアウトと大きく変りはないが、アルミパーツを多用し、更にサス取付け部を強化。また、よりキャスター角を大きくとることで、コーナリング中のフロントタイヤの接地面積が拡大する効果などで、圧倒的にハンドリングは向上している。 クイックなステアリングレシオをGT系は持たせているが、ワインディングのハンドリングは“素晴らしい”の一言に尽きる。
 タイヤはポテンザのRE050A、215/45R18を履き、アブソーバーもビルシュタインの新型を装備するため、しっとりと実にフィールの良い初期ロール感だ。そのためにステアリングの応答感もよく、また剛性の高いシャシーのお陰でスムーズでリニアリティの高いハンドリング特性だ。

 ワインディングの走りは絶品!と言えるぐらい、バランスがいい。コーナーにブレーキングしながらアプローチすると、最大Gがいよいよ掛かるあたりで、旧タイプはスコッとフロントが逃げていたのだが、新型ではそこが違う。フロントタイヤがしっかりと最後まで踏ん張ってくれ、フロント外側タイヤを軸にスムーズにテイルが流れるような雰囲気でターンインしてくれる。これで素早くかつ、安定して小気味よくコーナリング出来る。まるで、上手くチューニングされたツーリングカーマシンの雰囲気でスムーズにコーナリングするのにはすっかり驚かされた。
 サス以外にエンジンフードをアルミ化するなど、ボディの軽量化もこのハンドリングの良さに大きく貢献している。(ツーリングワゴンではリヤハッチもアルミ)
 17インチタイヤの他のグレードは、初期応答がやや鈍く、初期ロールが気持ち速いものの基本的な操縦性の特性は同様でこれも素性が良い。攻めに攻めた走りでない限りこの操縦性で大いに満足するだろう。


●制動性

 今回のフルモデルチェンジで目を見張るものの、ひとつにブレーキングがある。旧タイプではワインディングを攻めるとキャパシィティ不足のために、ブレーキが悲鳴をあげやすかったが、今回はブレーキサイズを1インチアップしているし、更にGT系には17インチで幅30mmと言うインプレッサSTiと同じ仕様の強力なローターが与えられた。
 ABSEBD付きの4輪ディスクブレーキ。(2.Oiにはブレーキアシストも装備)ブレーキングはまさにスポーツカーそのもののガッシリと強力な効き味で、ワインディングで攻め続けた時にはその効きと安定性のおかげて非常に安心感をもって走れたことも特筆して置きたい。


●ミッション

5速ATシフトレバー
5速ATシフトレバー
 Spec Bは5速MT仕様だった。6速ではないが、幅広いトルクのあるターボとでは特に不満は感じなかった。6速がファション的にも流行で、高速での燃費稼ぎにも有効だが、と言って必ずしも5速が不利とは限らない。5速のレシオの選びかたで燃費も稼げるし、ミッションも小型軽量のメリットもありまた、ビジーなシフトワークからも開放される。トルクが大きいターボ仕様の場合5速で不満はなく、また強力なシンクロでシフトそのものはスムーズだった。
 また、GT系には新開発の5速ATもチョイス出来る。賢いATはスポーツモードの場合は、アクセルを素早く戻すとシフトアップをせずにエンジンブレーキを効かせてくれたり、また、ブレーキングするとシフトダウンして、次の加速に備えてくれたり、コーナリング中にはシフトアップしないスポーティーなアダプティブ制御のミッションだ。

 シフトガイド付きでセレクターレバーを右に倒すとマニュアル・モードになるもの。また、ステアリングスイッチを操作するだけでもマニュアル・モードになると言う使いやすいもの。
 シフトフィールもスムーズで不満がなかった。尚、マニュアル・モードではギヤ固定となるので、レッドゾーンに達してもシフトアップはしない。

Info-Ecoモード
 これはセレクターレバーの横にある“ECO”スイッチを押すとバルブタイミングや点火位置の制御など省燃費モードで走行してくれ、メーター内に表示される。ただし、アクセルをいざと言う時に踏めば、即座に省燃費モードは解除され、パワーモードに戻ると言う使いやすいもので安全性も高い。


●静粛性

 アイドリングでのエンジン・サウンドも良く抑えられ、またバイブレーションもステアリングやセレクターレバーに殆ど入らない。 走らせるが、遮音性は高く、ロードノイズも気にならないのは嬉しい。ぐっと高級感が高まった。エンジンノイズも100km/hでは5速で2700rpm付近ですこぶる小さい。4,000rpmからエンジン・サウンドは大きくはなるが、絶対的にレベルは抑えられており、静粛性のレベルのはこのクラスとしては高く、快適だ。

●乗り心地

 215/45R18サイズを履くと多少、小さな路面の凹凸をコツ、コツと拾う気配はあるものの、予想以上に乗り心地に不満はない。
 勿論、更に17インチタイヤの方がよりマイルド感はあるが、極端に違わない。
 総じて乗り心地も不満のないレベルで、大人びたテイストだ。


●ユーティリティ
B4


トランクルーム
 盗難防止のためにトランクにはキー穴はなく、室内からリモコンで開ける。トランクルームは手前が広く、ゴルフ・バッグなどここに搭載は容易だ。

ツーリングワゴン

トランクルーム サブトランク トランクルーム
 ワゴンは広く、大型トランクを4個並べて置けるのは流石だ。トランクルームの中は綺麗に化粧されまるでメルセデスのそれを見るように小ぎれい。
 リヤシートは一部のグレードを除き、リヤクォーターの電磁式スイッチにより、簡単にトランク側からワンタッチで倒せるので、使い勝手はすこぶるいい。レガシィの面目をここでも保っている。
 トノカバーは後端のリヤゲートボードとは分割されているので、使いやすく、また完全にトランクルームを隠すことができ安心感が高い。
 また、トランクルームの下には小物入れのサブトランクがあり、これも便利だ。


●その他の目立つ装備

カップホルダー
 フロントセンター・コンソールとリヤシートセンターアームレストに。計4個

イモビライザー
 IDが合致しないとエンジンがかからないのは安心。(2.0GT、2.0GT spec.Bに標準装備 )

盗難防止アラーム
 リモコンでドアロック操作後、不正にドアが開けられると、ホーンやハザードランプで異常を知らせる。最初から装備されているのは嬉しい。

エアバッグ
 前面は2段階展開型のもの。カーテン&サイド・エアバッグは一部を除いてオプション設定。

セイフティぺダル
 前面衝突時にぺダルが足を攻撃しないように脱落するもの。MT全車に。AT車ではフットレストが脱落。

ISOFIXチャイルドシートアンカー
 リヤシートに。

衝撃吸収フロントフード
 歩行者保護のためには有り難い。


●まとめ

 スッキリとしたルックスはなかなか精悍で魅力的だ。また、動力性能も低速トルクタイプで使いやすく、高回転域までスムーズに回る洗練されたテイストを持つ。
 更に、ハンドリングの良さは特筆したい。それほど急激に向上した操縦性だ。それにブレーキの良さも抜群で、安心感が高まった。「走る」、「止る」、「曲る」の性能を二回りもグレードアップしたまさにレガシィ/B4の集大成車である。

アウトライン開発者よりデザインメカニズム試乗記購入ガイド壁紙
updated : 2003.6.4



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