●スタイリッシュな5ドアハッチ
レガシィの成功以来スタイリングに目覚めたスバルがまたまた、インプレッサにもスタイリッシュなボディを装い登場させた。国内ではニーズの高いステーションワゴン系の5ドアハッチだが、デザインゆえに新鮮なカテゴリィに感じる。
アウトラインでも述べたように、今回開発陣がもっとも気配りしたのは“快適性”。旧タイプの“走りのイメージ”から脱皮し、“心地よい、コンパクトスポーティー5ドア”が狙いだ。幅広いユーザーへの真剣なアプローチだ。
WRCで活躍するスポーツファン期待の“STiモデル”は専門の別チームが開発し秋にデビュー。 今回のインプレッサはあくまで“コンフォート”なコンパクトツーリングワゴンとして専用に開発されたものなのだ。
車種体系はベーシックなNA(自然吸気)1.5リッター110psの15Sの他に新しく2リッター140psの20Sが追加された。レガシィで実績のあるスムーズなフラット4で、1.5リッターでは物足りないユーザーを満足させるもの。
そして更に2リッターNAでは物足りないユーザーには250psのターボ仕様の“S-GT”が用意されている。“パワー”と“快適性”の両立で、乗り心地もガチ、ガチ過ぎずストレス無く愉しめる。
今回は、新設定された“20S”を中心にレポートする。
●ダイナミックで上質なインテリア
コクピットの第1印象はモダーン。助手席のダッシュパネルのセクシーな曲線がダイナミックな印象を与える。メーターデザインも3眼タイプだが、アルミを思わせる品の良いリングと、グレーと濃いグレー系のカラーリングは上品。
一方、“S-GT”では、中央部にタコメーターが位置するスポーティーなもの。常時発光の“レッドルミネセント”は見やすく、精悍。高級感もある。
センター・コンソールにはエアコンのダイアルがあるが、判りやすく、また手近で操作性が非常に良い。無理のない姿勢で操作でき安全性も高い。
ついでながら、ステアリングホイルはチルトとテレスコで好みの位置にアジャストしやすいのも、ありがたい。(S-GTには標準装備、他はオプション )
●ストレス無い前方視界
シート位置をハイトコントロールで調整すると前方視界も良い。エンジンフードも見え、見切りも悪くない。またAピラーの角度と位置がよく、斜め前方も見やすくストレス感がない。
●居心地の良いシート
シートはサラッとしたファブリックの表皮が使われ手ざわりも良い。フロントにはスポーティーなバケットシートが用意され、特に左右のサポートがタイトではないが、通常の走りでは不満はない。腰のランバーサポートも程よくデザインされ不満はない。ハイトコントロールと前後スライドも大きく取られ、視界の良いドライビングポジションが得られる。
ルーフのゆとりは私の場合18p近くもあり圧迫感は全くない。
S-GTにはオプションで更にタイトなスポーツシートが選べ、よりしっかりとしたサポート性は安心感が高かった。
●しっとりと支えるリヤシート
リヤシートはベンチタイプ。座面の角を丸めて乗り降りしやすいのが特徴。バックレストは程よく寝ていてリラックスして座れる。特に気に入るのがバックレストのクッション性。身体に吸い付くようにしっとりと背中を支えてくれ心地よい。ランバーサポートも腰のS字を自然に支え気持ちよく座れる。
フロントシートと膝のゆとりは20p近くあり、つま先はフロントシートの下に入れなくてもゆったりと座れ、センタートンネルはあるものの、足元は広め。後席の居住性はズバリ高まった。
ドアサイドのアームレストも肘の部分がソフトパッドで覆われ心地よく、またセンターアームレストも大型で、リラックス出来る。
●燃費、低速重視の動力性能
15Sには110馬力、“EL15型”の吸気側可変バルブタイミング、DOHCの1.5リッター、ロングストローク化され、低速トルクと燃費が強化されたエンジンを搭載。 走り出してアクセルを踏むとグッと力強いトルク感で驚く。ストレス無く加速してくれ、旧タイプ(EJ15型)より大幅に加速フィールが良い。これでもう充分!と思えるほど市街地での30から60q/hでの実用領域では不満のない走りだ。
0-400加速では20秒台の雰囲気だが、実用性は充分。FF、5速MTでの燃費は17.6km/lと燃費の高さが自慢だ。7,000rpmの高回転でもフラット4はスムーズで心地よい。
20Sには2リッター、SOHCの“EJ20型”を搭載。15Sでは物足りないユーザーにお奨めだ。0-400加速の雰囲気は17秒台に入り、実用走行では過不足なく走れる。 特に使いやすさを感じるのは低速の市街地。発進してから70q/hまでの使用頻度の高い速度領域だ。軽くアクセルぺダルに足を載せているだけでグイ、グイと走りたがり、ストレス感が全くない。
フラットトルクな特性で嬉しいのは、4,000rpmか以上の高いエンジン回転の領域でも元気に心地よく伸びてくれることだ。低速から高速まで幅広いフレキシビリティに富んだ実用エンジンと言える。
●気持ちよくふっ切れるS-GTターボエンジン
トップエンドのスポーティーバージョンの“S-GT”には250psを誇るインタークーラーターボエンジンが搭載されるが、旧タイプ同様の出力ながら、トルク特性はグッと使いやすく改良され、新型ターボにより、最大トルクは2400rpmと1200rpmも低い回転で絞り出す。
0-400加速の雰囲気は15秒台と快速!あっという間に追越しが出来、安全性は格段に高い。それでいて、ターボトルクの立上がりはナチュラルでドライバーを驚かすことはない。2500rpmあたりからスムーズに加速が始まり3,000付近からふっ切れるように背中が押され、軽快に加速させる。まるで大排気量NAエンジンのようにつながりがスムーズ。スポーティーな走りを求めるユーザーにはお奨めのグレードだ。
●誉めたい、効きとフィールの良いブレーキ
15Sのブレーキはフロントに14インチ、20Sには15インチ、S-GTには16インチのベンチレーティッドディスク、リヤには15Sはドラムだが、他のモデルはソリッドディスクの仕様。
ABS,
EBD,
ブレーキアシストの3点セット付きだが、剛性の高いブースターのおかげでぺダルタッチが抜群に良い。しっかりとぺダル剛性も高くそれでいてダイレクトながら、しっとりとした踏み心地としっとりとした効きの良さがある。コントロール性も高い。誉めたいもののひとつで、安心感が抜群に高い。
S-GTのブレーキはさすがにガッシリ感もあり、パワーにバランスさせている。ワインディングを攻めて走ってもビクともしない高い安定性も合わせ持つ。いづれのブレーキも女性にも安心だ。
●心地よいハンドリング
20Sの操縦性はセオリー通り。ピッチングやローリーングを感じさせない、フラットな走り味だ。タイヤはヨコハマ、アスペック、205/55R16 89Vを履くが、リニアな応答でしかもスポーティー。予想以上に応答感は良い。ビシバシとギン、ギンな操縦性ではなく、心地よくスポーティーな雰囲気のハンドリングだ。 ワインディングでの走りもリヤタイヤがしっかりとグリップしてくれ、常に弱アンダーを保つ安心の走り。ロールは小さくはないが、ロール速度を上手くコントロールしていて、ドライブしていてロールを感じさせない。うまい設定でこれも誉めたい。
S-GTにもアスペック、205/55R16 89Vを履くが、“スポーツパッケージ”では205/50R17サイズのアドバン、A10タイヤを履く。
応答は更に正確。リヤがしっかりと接地するのでより安定し、コーナリングは弱アンダーで安心感が高いが、シャープ過ぎることなく、無用な緊張感無くスポーティーにドライブ出来る設定だ。
●4モードのスムーズな4速AT
15SとS-GTには5速MTと4速ATがチョイス出来るが、20Sに与えられたミッションは4速AT。5速ATが欲しいところだが、技術陣はレガシィ用の5速ATでは燃費、重さ、コストでも不利として敢えて軽量なインプレッサには20kgも軽量な4速ATを採用し、コストパフォーマンスも高めた。このミッションはスムーズなシフトフィールやロックアップロジックを強化し、各部のフリクションも落として熟成させ、“燃費”と“走り”を両立させるもの。
“燃費”向上のための秘策は“info-ECOモード”だ。センター・コンソールにある“ECO”スイッチを押すと低回転でシフトアップし、“トルコン”のロックアップ領域を広げ、“駆動ロス”を減らす。更にエンジンの熱効率の良いスロットル開度で走行中にはメーターにグリーンの“ECO”ランプが点灯しドライバーを誉めてくれる。“ECOランプ”点灯をキープして走ると“得した”気がしてうれしい。
勿論、“ECO”走行中でもいざと言う時にはフルスロットルにすると直ちに鋭く加速し、危機を脱出可能だ。
セレクターレバーを右に倒すと“スポーツモード”になる。エンジン回転が高まり、よりパワーがかかり、また下りではエンジンブレーキも効くのでスポーティーな走りと安心感が高い。
更に、前後にセレクトすると“マニュアル・モード”となる。嬉しいことに、レッドゾーンに近づくと自動的にシフトアップしてくれ、にわかマニュアルユーザーにはシフトアップ忘れを防いでくれ有り難い。 そして、ノーマルなDレンジの“ノーマルモード”があり、細かく見れば4つのモードをもつものだ。
15SのFF以外は全てAWD(4WD)仕様。だが、全くそれを意識せずに走れる。確認出来るのは滑りやすい路面からの急発進などだ。砂利道からのフルスロットルの発進でもホイルスピンなしに飛出せ、忘れていたAWDの価値を発見出来る。
●スポーティーな5速MT
15S、S-GTでチョイス出来るのが5速MT。シフトレバーはステアリングホイルから手を落とした手近な位置にあり、ストロークも程よく、シンクロも強力でどのギヤにもスムーズにシフト出来、スポーティーな走りが愉しめた。MTが少なくなった最近、MTファンには有り難い設定だ。
●心地よい走りのテイスト
エンジンをかけた時、まず感じるのは静粛性の高さだ。アイドリングではバイブレーションもセレクターレバーやステアリングホイルにも伝わらない。
次に、Dレンジや1速でスタートさせると静かな環境のまま動きだし質感を感じる。エンジン回転が3,000rpm以上になると当然エンジン・サウンドは大きくなるものの、それでも“シューン”と言う心地よいサウンドで、6,000rpm以上回っても嫌なメカニカルノイズはなく、ストレスがない。バランスの良い“フラット4”エンジンの賜物だ。
またロードノイズもよく遮断され、荒れた路面でも殆ど気にならないのは嬉しい。
“SIシャシー”と呼ぶ自慢のシャシーは乗り心地も快適。路面継ぎ目などは腰のある突起感はあるものの、マイルドにいなし、尖った鋭い衝撃は全く感じない。 当然ながら、195/65R15サイズタイヤの15Sがもっともマイルドな乗り味。
205/55R16タイヤの20Sは15Sよりしっかりとした“腰”のある乗り心地を路面により感じるが、それでも鋭さはなく快適だ。
205/50R17タイヤのS-GTは元々サスがやや締められていることもあり、コツっ言う突き上げ感は更に高い・・・。と、言っても20Sに比較しての話し。腰の強さは感じるが、ガツンと言う尖った衝撃はなくマイルド。荒れた路面や突起もストレス感は低く通過でき、新型インプレッサの居住性は快適となった。
●驚きのラゲージスペース
リヤハッチを開くと外見に反して荷室が広いのに驚く。リヤのタイヤハウスの張出しが少ないので、左右にも広いし、前後のスペースも広い。後席を倒さなくても、9インチのゴルフ・バッグを2個悠々搭載出来る。
また、リヤシートのバックレストは4:6で独立。バックレストトップのレバーを引くだけでヘッドレストそのままで簡単に倒せ、あっという間にラゲージスペースは広がり女性でも簡単!
リヤのオーバーハングが短いため膝がバンパーに触れずに出し入れ出来、ズボンが汚れる心配も少ない。
●その他の目立つ装備
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AWDシステム
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インプレッサの目玉だ。ATにはアクティブトルクスプリット、MTにはビスカスLSD付きのセンターデフ方式を採用。全く意識せずに使える。
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エアバッグ
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前面左右のエアバッグは当然標準装備されるが、SRSサイド・エアバッグとカーテンエアバッグもオプションで装備可能。
衝撃緩和インテリア前面衝突時のドライバーの脚部保護のために、ブレーキとクラッチ・ぺダルの移動を抑え、フットレストも衝撃緩和構造なのは安心だ。
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フロントアクティブヘッドレスト
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追突などの際、鞭打ち現象を防いでくれる。(S-GTのスポーツシートを除く)
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キーレスアクセス&ブッシュスタート
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一度使いだしたらあまりの快適さにやめられない。特にアイドリングストップを行うときにはスイッチを押すだけ。ストレスなく使える。(オプション)
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インフォメーションメーター
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ダッシュパネルの見やすい一等地に位置し、外気温度計、燃費計、クロックなどか白い液晶で表示され、冬場の凍結の予測や燃費運転が確認出来便利だ。
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●まとめ
スタイリッシュになった3代目はズバリ、ストレスフリーな走りが特徴だ。静粛性が高く、また乗り心地も良い。更に、実用的な動力性能も高く、それぞれのニーズに合せて3種類のエンジンがチョイス出来、走りに不満はない。ブレーキの良さも特筆したい。お洒落感覚の高い、コンパクトでスポーティーな5ドアハッチバックだ。