ローバー75 (ROVER75)
筆者:津々見友彦

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レトロタッチをモダーンに取り入れたフロント。ボディカラーは12色から選べる。(コニサー)
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ローバーがBMWの協力も得て送り出した自信のFFフラッグシップカーが”ローバー75”だ。本国では、1.8、2、2.5リッター、それに2リッターのディーゼルも用意されているが、日本ではもっともパワフルな2.5リッターのみ。エンジンは横置きのKV6と呼ばれる800シリーズに搭載されている2.5リッターを更に改良しパワーアップ、V6、DOHC、24バルブで、177PS/6500rpm、24.5kgm/4000rpmのパフォーマンスをもつものだ。グレードはベーシックな”2.5クラブ”とアッパーグレードの、”2.5コニサー”がある。今回はその”コニサー”を試乗した。(クラブはパワーシート、サンルーフ、リヤシェードなど数点の装備が省かれている)
<エクステリア>
ローバーの特徴あるラジエターマスクをフィーチャーし、流れるような優美のラインの4ドアセダンだ。どこかでいつか見たような・・。そう、ジャガーを思い出させるようなノスタルジックな雰囲気なのだ。(最新のジャガーSもそうだが)レトロな雰囲気だが、これがいかにも英国車!というアイデンティティを持っている。かってはホンダボディを使う無国籍なスタイリングもあったが、これで明快にブリティッシュテイストが発揮できよう。もっとも、実質はジャーマンテイストも隠されているのだろうが少なくともルックスにそれは感じない。リヤのラインなど優雅で”古き良き時代”感じさせるものだ。
<インテリア>

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見事に美しく品の良いインテリアだ。
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クラシックな時計を見るようなメーター類。かって、プレゼントに掲載した腕時計はこれと同一デザイン。
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何かほっとする安らぎを感じるインテリアだ。遠い昔、家庭に応接間があった頃のあの応接間の雰囲気。と、言って今の若い人たちにはピンと来ないかもしれないがなつかしいセピア色に感じるインテリアだ。レザーと美しい仕上げのウォルナットで端正に造りあげられたメーターパネルには丁度クラシックな時計をイメージしたシャンパンカラーの楕円のメーターが組込まれている。センター・コンソールにはオーディオ、エアコンのコントローラーとナビゲーションのディスプレイがセットされているが、ここにも美しいウォルナットパネルが巧みに使われ、家具的な仕上がりがされている。そして内張りはアイボリー調で明るく安らぎのある雰囲気をかもし出す。ステアリングホイルはやはり同じカラーのレザーとウォルナットのツートン調で仕上げられ、これもインテリアデザインの格調を高めていた。
--フロントシート--

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シートカラーはボディカラーとの組み合わせで多くが選べる。
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シートカラーは数多くチョイスできる。今回の試乗車ではディプシー・グリーンで、やはりアイボリーのレザーの内張りと良くマッチングしている。レザーシートのビニール素材パイプもカラーコーディネイトされていて心憎い。シート形状も包み込み感があり、また、コーナリングではわき腹をサポートしてくれるので安心して身体を預けられワインディングでは有難い。手動のランバーサポート調整もあり、加えて電動アジャスト付で好みのポジションにセッティング出来るのも嬉しい。ヘッドルームのゆとりも12cmほどでたっぷり。
--リアシート--

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リヤシート、身体をしっかり支え、ランバーサポートあり快適。
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バックレスト形状も張りがあり、かつ背中によくマッチング。ランバーサポートの形状もよく座り心地がいい。センターアームレストもリラックスできる。ただし、ヒップ・ポイントが高めのためにヘッドルームは狭く、4cm程度のゆとりだ。ただ、ニールームはフロントシートの後部がえぐられているので広く、20cmはゆとりがあり広い。(要するに私が胴長短足の証明だが・・・・)
<動力性能>

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エンジンルームにびっしりと埋めこまれたV6、2.5リッターエンジン。
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低回転の2500rpmからトルクは出ており、3000から4000rpmにかけてのピックアップが良さげだ。ただ、4500rpmではやや谷がありそうだ。いずれにしても4,000rpmからはトルクは大人しくなる中速トルクタイプのエンジン特性だ。発進時の加速感はグーッと盛り上がる雰囲気はないが、いらいらもしない。0−400加速は17秒台の様子。まあ、飛び抜けた速さではないものの、軽快な走りで、このクラスのユーザーには不満は感じないだろう。
<操縦性>

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クロームを巧みに使い質感を高めたリヤ。造形も美しい。
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タイヤはGYのイーグルツーリング、195/65R15サイズを履く。シリカ配合の転がり抵抗の少ない省燃費志向のタイヤである。パワステはやや重めに設定されている。女性には気持軽くてもいいかなとも思えるが、大きく不満はないだろう。
操舵感覚はナチュラル感のある応答だ。45度舵角付近からしっかりと切れ出すが、基本的には大人しいレスポンス。もっとも、不満を感じるほど大人しい訳ではなく、経済性と応答性のバランスを上手くとっている様子で、絶妙のバランスと言える。ワインディングでやや速めのコーナリングに入るとフロントタイヤは軽く悲鳴を上げだす。が、限界を知らせてくれる警告と思えば気にならない。スキール音をあげるものの、フロントが外に大きく流されることはなく、キチンとコーナリングしてくれ、操縦性に不満はない。ただ、高速スラロームをした場合、フロントタイヤの横剛性の関係かやや過渡的には、応答遅れ感が見受けられるシーンもあったが、このあたり、乗り心地と経済性とのバランスの結果だろう。とはいえ、特筆する程ではなく、基本的にリニアな雰囲気だ。コーナリングに入ってしまうと操縦性はナチュラルないい感じで走れる。また80km/hの高速スラロームでのリヤも落ちついていて安心感が高く誰にでもステアリングを預けられることもレポートしておく。ロールは少なくはないが、ロール速度をスムーズにコントロールしているので、不安な感覚はなく、安心感があった。
<制動性>
フロントにはベンチレーテッド、リヤにはソリッドディスク、これにABS、EBDが装備されたもの。ブレーキ・ぺダルの剛性はしっかりしていて安心感はある。ブレーキそのものの利きはこのエンジンパワーにマッチングしたものだ。
<AT>

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美しいウォルナットパネルから出ている5速ATセレクターレバー。
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日本のJATCO製の5速ATは、「スポーツ」、「エコノミー」、「ウインター」のモードをチョイスでき、通常は「エコノミー」がプリセットされるもの。「スポーツ」モードでは早めにシフトダウンし低いギヤで引っ張り加速が高い。「ウインター」モードでは2速発進でフロントタイヤのスリップを防ぐ。
Dレンジでフルスロットルで加速すると7,000rpm近くのレッドゾーンまで引っ張りスポーティーな走りが可能だ。
シフトアップ、ダウンは概ねスムーズ。一度だけ停止寸前の自動的なシフトダウンでショックを感じたがこれはレアなケースだ。それよりも賢いのはブレーキングするとシフトダウンしてくれ、スムーズなエンジンブレーキで減速を手伝ってくれるのは有難い。
<居住性>
--乗り心地--
これはなかなかしっとり感がありよい。路面の小さな凹凸も上手にいなし、また突起の乗り越えも衝撃はまるくおさめられていた。総じて乗り心地は大変よい部類で、この車に相応しいものだ。
--静粛性--
アイドリングではボディに多少振動を感じるものの、基本的に静かな雰囲気だ。エンジンノイズは5000rpm以上を回すとサウンドが甲高い”コーン”と言うものに変わるが心地よいサウンドなので気にならない。総じてエンジンノイズは小さめ。むしろそのためにロードノイズを感じるぐらいだが、ロードノイズの絶対的レベルも特に気になるほどではなく、静粛性はまずまず良好と言える。
100km/hのクルージングではエンジン回転は2300rpm程度で、静かだった。
<ユーティリティ>

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奥行きが深いトランク。コニサーはリヤシートも倒すと更に大物も積載可能。
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垂直に大きく開くトランクリッド
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トランクスペースは意外に奥深く見た目より広い。ゴルフ・バッグは4個が入る。また、リヤシートのアームレスト部分をトランクスルーにしてスキー板4本を搭載もできる。コニサーの場合は、リヤシートをそっくり前に倒すと大きなトランクスルーのラゲージスペースが広がるのは便利だ。トランクリッドは大きく跳ね上がりまた、バンパー位置まで開いた開口部など荷物の出し入れはしやすい。
大型のグラブ・ボックスも助手席側にある。
--その他--

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- カップホルダー
- フロントのセンター・コンソールにはワンタッチでカップホルダーが引き出せ、これが左右に2個。リヤシートはセンターアームレストに仕込まれロングツーリングでは有難い。
- リヤサンシェード(オプション)
- 電動でリヤグラスに日除けを出し入れできる。
- エアバッグ
- フロントの両席の前とシートの両サイドにサイドエアバッグを標準装備。
- グリップハンドル
- ルーフの4箇所にグリップハンドルが装備。ドライバー側にもあるのは嬉しい。
- トラクション・コントロール
- 低μ路でのホイルスピンを防ぐ。
- イナーシャ・キルスイッチ
- 衝撃を感知して燃料をカット、事故の際は安心だ。
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ひと押しで出てくる複雑な 仕掛けのカップホルダー。
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リヤの電動シェード。プラ イバシィ−と陽射しを遮る。
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<気に入った点>
華麗なエクステリアと質の高いインテリアは流石!ウインカーの”コ〜ン”と言う優雅なサウンドまで気に入った!
<気になる点>
リヤシートのヘッドルームがやや狭いのでは?
<まとめ>

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フロント、リヤのバランスのよいサイド。
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ローバーがBMWの協力を得てそのアイデンティティを強く押し出したブリティッシュテイストをたっぷりと見せつけるラグジュアリーコンパクトセダンだ。優美なスタイリングはCd値0.29〜0.30と見た目だけでなく空力の実力も高い。レトロタッチが好きなユーザーには満足出来るFFセダンだ。
| 車種 |
グレード |
排気量 |
PS |
Torque (kgm) |
車重 |
最少回転半径 (m) |
10・15モード 燃費(km/l) |
W/P |
| ローバー75 |
2.5クラブ |
2,497 |
177 |
24.5 |
1490 |
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10.4 |
8.42 |
| 2.5コニサー |
1520 |
9.9 |
8.59 |
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W/T |
C/P |
C/T |
PS/L |
0−100km/h |
C/G |
価格 |
| 2.5クラブ |
60.82 |
24.01 |
173.47 |
70.89 |
|
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4,250 |
| 2.5コニサー |
62.04 |
26.50 |
191.43 |
4,690 |
*価格は全て千円単位
- *W/P
- パワーウェイトレシオ 1PSあたりの車重(kg/ps)
- *W/T
- トルク・ウェイト・レシオ 1kgmあたりの車重(kg/kgm)
- *C/P
- コストパワーレシオ 1PSあたりの価格
- *C/T
- コストトルクレシオ 1kgmあたりの価格
- *PS/L
- エンジン容積1リッターあたりの馬力。
- *0−100km/h カタログに無記載。
- *C/G
- コスト加速レシオ、0-100km/hの時の平均加速の0.1G加速あたりの価格(\/0.1G)
- (車両価格/100km/h÷0-100km/hの時間÷0.98)
- つまり、同じ加速をするのに、コストパフォーマンスが判る。
- いずれの指数も数字が小さい方が性能やコストパフォーマンスが優れていることになる。
- (ただし、車の装備や付加価値は無視している。)
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Update:1999/11/21
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