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206 XS、XTプレミアム
筆者:津々見友彦
206 XS
206 XTプレミアム
独断評価
エクステリア
インテリア
動力性能
操縦性
制動性
ミッション
静粛性
乗り心地
ユーティリティ
コストパフォーマンス
総合評価
精悍なマスク、そしてキュートなコンパクトハッチバックでこのところ人気を集めているプジョー206だが、今回1.6リッターのXSと、XTプレミアムのエンジンがリニューアルされ、パワーアップした。これらは既にヨーロッパで発売されているお洒落なオープンカー206クーペキャブリオレに搭載されている新型1.6リッターだ。更に吉報。従来、5MT仕様のみだったが、今回待望の4速ATが追加された。ATがないために躊躇したユーザーには嬉しいニュースだ。
今回試乗したのは1.6リッターのスポーティーな3ドアハッチバックのXSと5ドアハッチバックのXTプレミアム。
<エクステリア>
XS
スポーティーなXSは更にスポーティー度を高めた。スポーティーバージョンとしてはハイエンドにWRCで活躍するラリーカーのベースモデルのGTそしてS16と続くが、XSはよりS16にスポーティー度を近づけたもの。ヘッドライトもクリアーガラスとなり、フロントフェンダーもS16と同じプレスでブリスター度を増している。
また、タイヤサイズも175/65R14から185/55R15とインチアップされ、ルックスもスポーティーだ。フロントマスクだけでなく、リヤのテイルレンズ周りもなかなかチャーミング。デザインは楽しい。
XTプレミアム
基本的なシルエットはXSと変らないが、ヘッドライトはクリアーではなく、またラジエターマスクの開口部も上品に開きXS、S16程”般若顔”の印象はなく、穏やかだがシャープなデザイン。
<インテリア>
XS
丸みを帯びさせたオーガニックな雰囲気のインテリアデザインはこれも楽しい。メーターはアナログ4眼でタコメーターの中には油温計もあり、スポーティーで楽しい。S16同様メタリックな縁取りと上下ツートンに分けられたメタリックなカラーリングだ。
センターパネルはガンメタ調のものだが質感も深みのある雰囲気。また比較的手近で操作性もいい。エアコンコントローラはダイアル式で、一見して判りやすい。
--ドライビングシート--
シートはスポーティーなバケットシート。フランス車的で特に固めではないが、左右のサポート性もよくランバーサポートの出方も適正で腰の収まりもよい。
ヘッドルームのゆとりは16cm程度とゆったり。ドアサイドのアームレストも掛けやすく快適だ。
XTプレミアム
基本的にXSと同じレイアウトだが、細かな点では多少ニュアンスが異なる。メーターも4眼。このデザインもシンプルで飽きがこない。ATのためにギヤポジションのインジケーターは右端のXSの水温計の場所に位置する。
エアコンのコントロールスイッチはダイアルではなく高級感を出したブッシュスイッチ。
--ドライビングシート--
バケットシートだがXSほどサイサポートはないものの、これも大きく不満はない。ただし、よりソフト気味だ。個人的に気持もう少し剛性感がある方が好みだが、フランス風のソフト感のもの。大きくは不満はない。
--リヤシート--
XS
XTプレミアム
どちらのタイプも3人掛けのベンチシート。2人で掛ける限りバックレストの形状はなかなかよく、また適当に固めな弾性感のパッドなので満足だ。センターアームレストは無いが、ドアサイドのアームレストは意外に広めで掛けやすい。ルーフのゆとりはあまりなく、10cm程度でまずまず。膝のゆとりは16cm程度でこのサイズの車としては満足できる。
<動力性能>
TU5JP4と呼ばれるこのエンジンは基本的に旧タイプと同じボア、ストロークをもつ。旧タイプがOHC、8バルブに対してアルミヘッドのDOHC、16バルブ仕様で出力を20PS高めて80kw/108PS/5800rpm、147Nm/15.0kgm/4000rpmとしたもの。これでぐっと軽快感が出た。
XS
5MTとの組み合わせで加速はイライラ感はなく加速しなかなか快適だ。0-400加速は17秒台あたりでこれならまずストレス感はない。トルク特性はフラットトルクで低回転の2000回転以上回せば必要なトルクが出ている使いやすい特性だ。
XTプレミアム
4速ATとの組み合わせだが、2000rpmから必要トルクは出ているので、使いやすい。発進加速の際は、出だしこそ飛び出し感は特にはないが、30km/hを超えてからは軽快に加速する。0-400加速も18秒台で通常の使い勝手の中なら不満は感じない。
<操縦性>
XS
ワインディングのXS(268KB)
フロントにストラット、リヤにはトレーリングアームとトーションバーの組み合わせだ。タイヤをインチアップし、ピレリP6000を履く。ロールも小さめで、しっかりした足のハンドリングはなかなかいい。気に入ったのはパワステのナチュラルなこと。ロックツーロックは3.2回転程度で重めな部類だが、勿論重過ぎはしなくナチュラル。コーナリングでは45度舵角からコーナリングフォースが立上がり、リニアリティが高いので安心感がある。小型車ながら、落ち着き感のあるハンドリングだ。
XTプレミアム
タイヤは185/65R14、ミシュラン、エナージーを履く。XSに比較するとやはり65タイヤらしくややロール感があるものの、基本的なハンドリング特性は大きく違わない。多少大人し気ではあるがその差は小さい。逆に言えばこのXTプレミアムでも充分スポーティーに走れる。パワステのフィール、しっかりした足、リニアリティの高さなどハンドリングのレベルは高い。
<制動性>
ABS
付きのブレーキはフロントにはベンチレーティドディスク、そしてリヤには動力性能の強化と連動してソリッドディスクが与えられた。ブースターの効きもよく、またぺダルタッチも剛性感があり、よく効いてくれた。
<ミッション>
XS
5速MT
5MTはクラッチも軽く、シフトストロークも常識的なレベルでシンクロもよく、スムーズにシフト出来、不満はない。
XTプレミアム
4速AT
待望の4速ATだ。シフト・ゲートはギザギザタイプのもの。だが、PからDレンジまで比較的スムーズにセレクト出来、不満はない。ヨーロッパのミッションらしく減速すると積極的に自動的にシフトダウンし、エンジンブレーキを掛けてくれるあたりは個人的には好感が持てる。基本的にシフトアップダウンのショックは少なくスムーズだ。ただし、低速で停止寸前に1速にシフトダウンする時のショックが感じられ、この点はやや惜しい。学習機能も持たせているが、Dレンジでワインディングを走る時、アクセルを急激に離した時でもシフトアップを押さえてくれ、その点はいいが、その後比較的短い時間でコーナリング中にシフトアップするので連続するワインディングではややビジーだ。もっともこんな時にはSモードにシフトするとシフトアップを控えたスポーティーなモードで走れ、ワインディングでは快適だ。
<居住性>
--静粛性--
アイドリングのサウンドは静かだ。4気筒らしいバイブレーションは多少ボディに感じるものの、取り立てて言うほどではない。
100km/hクルージングでは2700rpmあたりではエンジンノイズは静かでよく押さえられている。それだけに荒れた路面ではロードノイズは逆に感じる。
勿論、路面状態が良い場合はノイズは決して不満はない。4,000rpm以下では特に気にならないノイズだ。ただ、5,000rpm以上回すと全体にエンジンノイズはおおきく、6,000rpm付近ではかなり大きく感じる。ただし、耳ざわりなノイズは全てカットされていて心地よいサウンドなので辛さはない。
--乗り心地--
XS
ややラフな路面では固めに感じるがそれでも鋭角的なショックはなく、タイヤ、アブソーバーなどが角を丸めた乗り心地にしようとしている。小さな凹凸に対しては比較的鈍感だ。高速で路面つなぎめを乗り越えると、バツン!と言う衝撃は入り、その時にこの車の足は固いのを思い出させるが普段は忘れていられる。これなら日常的に使っても不満はないだろう。
XTプレミアム
XSと似ていて、基本的には固めの足ながら、タイヤ特性の違いか、乗り心地は更にマイルド感があり、これなら毎日の使用でストレスはない。
<ユーティリティ>
--トランクルーム--
ハッチバックを開くと同時にハードなトノーカバーもリンクして開きなかなかいい。荷室は奥行きはないものの、左右はホイルハウスはあまり出っぱらず意外に広め。このサイズの車としては使いやすそう。XTにはラゲージネットがあり、小物の固定に便利だ。
リヤシートは1:2でバックレストが倒せるのでラゲージスペースはそれだけ柔軟に拡大できる。
<その他>
エアバッグ
前面エアバッグの他にサイド・エアバッグも標準装備(XTを除く)。これは有り難い。
助手席エアバッグキャンセルスイッチ
イグニッションキーで助手席のエアバッグの作動を停止できる。助手席に幼い子供やチャイルドシートを乗せた時など安全性が高い。
慣性フェールカット
衝撃があった時に燃料をカットし、事故の際の火災発生を押さえる。
ISOFIXチャイルドシートアンカー
雨天感知オートワイパー(XTプレミアムに標準装備)
このクラスとしてはリッチな装備だ。
<気に入った点>
スタイリング。スムーズなハンドリング。軽快になった動力性能。
<気になる点>
ラフ路面での乗り心地。
<まとめ>
驚く程ではないものの、動力性能は高まり、軽快になり高速道路への乗り入れなどぐっと楽になった。また4速ATがチョイス出来き、商品力が更に高まった。ハンドリングもナチュラルで大人びた良さがあるお洒落なコンパクトハッチバックだ。雨天感知オートワイパーそしてエアバッグは前面の他にサイドエアバッグも標準装備し199.5万円と価格的にも手が届きやすい。「走る」、「止る」、「曲る」の基本性能が高められ、心地よいナチュラルな走りを見せるスポーティー5ドアハッチバックだ。
車種
全長
全幅
全高
ホイルベース
トレッド 前
トレッド 後
乗車定員
駆動方式
XS
3,835
1,670
1,440
2,440
1,435
1,425
5
FF
XT Premium
1,440
1,430
エンジン
容積(cc)
KW(PS)
最大馬力
回転数
Torque
Nm(kgm)
最大トルク
回転数
最少回転半径(m)
10・15モード
燃費(km/l)
XS
1,587
80(108)
5,800
147(15.0)
4,800
4.9
−
XT Premium
車重
W/P
W/T
C/P
C/T
P/L
C/L
価格
XS
1,050
9.7
70.0
17.3
124.7
68.1
1,178
1,870
XT Premium
1,100
10.2
73.3
18.5
133.0
1,257
1,995
*価格は全て千円単位
*W/P
パワーウェイトレシオ 1PSあたりの車重(kg/ps)
*W/T
トルク・ウェイト・レシオ 1kgmあたりの車重(kg/kgm)
*C/P
コストパワーレシオ 1PSあたりの価格
*C/T
コストトルクレシオ 1kgmあたりの価格
*P/L
排気量、1リッターあたりの馬力
*C/L
排気量、1リッターあたりの価格。エンジンサイズに対する大凡の標準価格が推察できる。ただし、装備やグレードは無視。
●今回の試乗車のみのデータ
●価格はオプションを除いた値段
Update:2001/3/14
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