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Inpression

キューブ
(cube)
筆者:津々見友彦

キューブ
独断評価
エクステリア★★★★☆
インテリア★★★★・
動力性能★★★・☆
操縦性★★★★☆
制動性★★★★・
ミッション★★★★・
静粛性★★★・☆
乗り心地★★★★☆
ユーティリティ★★★★★
コストパフォーマンス★★★★★
総合評価★★★★・
 98年の発売以来、約40万台も発売したコンパクトなハイトワゴン、”キューブ”が2代目としてフルモデルチェンジした。
 ユニークなのは画期的な左右非対称のボディスタイリングで、思い切った差別化策をとった車だ。プラットフォームはルノーと共用するものでマーチと同じ。コストパフォーマンスを高めている。
 旧タイプに比較してボディ全長は短いが、ホイルベースを伸ばし、車幅も広く室内空間を広げたもの。
 エンジンは1.4リッターのみで、FF仕様の他にマーチ同様、リヤにモーターを搭載するe4WD仕様もある。
 2WDはベーシックなBXからSX、EXと3グレード。4WDではSXとEXの2グレードだが、今回はFFのトップグレード、EXを試乗した。
<エクステリア>
サイドビュー リアビュー ユニークなデザイン
 ”やんちゃ、リラックス、コンパクト”などがデザインコンセプトだが、”キューブ”のネーミングどおり”四角”なボディを持ち、室内の体積を最大にとると言うコンセプトは忠実に引き継がれている。
 ただの四角になってしまうところを巧みにアクセントをつけ、小粋に見せている。フロントグリルは荒い格子状でシンプルな造形美をみせる。
 最大の特徴は後端のCピラー回りのデザインを左右で変え、劇的な変化を見せている点だ。左サイドはサイドガラスとリヤガラスで、ピラーレスに見せ、右サイドは太いピラーでデザインが異なる一台で2つの顔を持つ車なのだ。実用的には確かに、ドライビングシートから後ろを振り向いた時、左後部の視界は開けているし、右後部は元々ドライバーから見えないので違和感は全くない。
<インテリア>
ダッシュパネル メーター  メーターパネルと一体の大型センターパネルでシンプルな造形を強調。メーターそのものもシンプルなデザイン。ステアリングホイルは3本スポークで大型のセンターパッドがあり左にオーディオ、右には6速ATのシフトスイッチがある。太いスポークのステアリングホイルはもう少しお洒落だといいのだが・・。
 角張ったルームのおかげで、室内のヘッドルームは広く、エルグランド並みの左右の広さと言う。それだけに、Aピラーの上が外に広がって、逆三角形につい見えてしまう。
 そのAピラー、結構太いのだが、あまり後退角がないので、意外に視界を阻害せず、気にならない。

--ドライビングシート--
ドライビングシート 楽しいシート
 これはなかなかお洒落だ。左右セパレートシートながらまるで、丁度居間のソファーのような雰囲気で、楽しい。座り心地も実にいい。腰のランバーサポートの形状も程良いし、包み込み感もあり、大型のセンターアームレストを使いリラックス出来るリクライニングシートだ。アイポイント(視点)も高めで、見通しもいい。ルーフのゆとりは25cm近くあり、さすがに広い。

--リヤシート--
リヤシート  フロント同様、大型のソファーのようなベンチタイプだが、バックレストは50:50で分かれて倒れる。これも座り心地はいい。ランバーサポートの形状も良いので、ロングツーリングでは楽だろう。身体のホールド性も程良い。ただし、センターアームレストの位置が低く使いづらいし、ドアサイドのアームレストも小さめなのは惜しい。
 ヘッドルームのゆとりは16cm、膝のゆとりも、スライド位置を中間で16cm程度、フルにスライドすると広々と広く、このサイズとしてはゆったり感がある。 左サイド後方を見ると細いCピラーのため開けた視界で開放感があり、右サイド後方は壁となっていて落ち着き感があり、それぞれ満足。
 また、7段階にリクライニングするので、長距離ドライブもリラックス出来る。
<動力性能>
エンジンルーム 意外に快適
 エンジンはマーチ同様、DOHC,16バルブのCR14DEと呼ぶ1.4リッター、4気筒、72Kw(98ps)/5,600rpm,137Nm(14.0kgm)/3,200rpm仕様だ。排ガスも三つ星の「超−低排出ガス車」の認定をもつ自慢のエンジンだ。
 これにミッションはCVT-M6タイプを持つがDレンジで発進させるとスタート直後の加速感は特に鋭くはないものの、程よい軽快感で、感覚的にイライラしない走りだ。
 トルク特性は2,500rpm付近の低速から、充分なトルク力があり、更に3,000rpm以上から軽快な走りとなる。CVTC(可変吸気バルブタイミング)の威力で、トルクはフラットに分布されていて、5,000rpm付近でもトルクはタレずに癖のないエンジン特性だ。0-400加速は18秒台に入る様子で、このクラスとしては軽快だ。
<操縦性>
しっかりしたハンドリング
 サスはフロントにストラット、リヤにはトーションビーム式。タイヤはダンロップSPスポーツ300、175/60R15サイズを履く。パワステは電動タイプで、ロックツーロックは3.2回転付近。程よい重さの操舵フィールだ。ただ、ステアリングシャフトをアシストする電動パワステの泣き所で、やや、素早く操舵する時に、モーターの慣性感があるのは否めない。
 ハンドリングはルックス以上にスポーティーで、しかもしっかりし、印象はいい。サスは固めでロールも程よく抑えられ、高速のハンドリングも落ち着いた挙動だ。全体的にリニアリティがあり不安感がない点も気に入った。
<制動性>
フィールのいいブレーキ
 ブレーキはフロントにベンチレーティッドディスク、リヤにはドラムだが、ABSEBDブレーキアシストの3点セット付きと旧タイプに引き続き充実した装備だ。ブレーキ・ぺダルの剛性感は高く、フィールもよく、効きに不満はない。
<ミッション>
スイッチ 使いやすいマニュアル・モード
 旧タイプに引き続き、6速マニュアル・モード付きのCVT仕様だ。セレクターレバーはコラムシフトだが、マニュアル・モードではステアリングホイルのスイッチでシフトアップ、ダウン出来るので、ワインディング以外ではエンジンブレーキを簡単に与えられ、使いやすい。また、嬉しいことに、マニュアル・モードでもレッドゾーン近くまで引っ張ると自動的にシフトアップしてくれ、ドライバーのストレスがなく洗練されている。とかく、普段Dレンジのオートマで走行しているとマニュアル・モードで走行しているのを忘れて、シフトアップせず、エンジンがリミッターにあたってしまい、慌てる。
 ヨーロッパ車の殆どが、シフトアップしてくれ気楽に走れるが殆どノ国産車は頑固にシフトアップなどはしてくれない。
 欲を言えば、更に低回転の時にはシフトダウンしてくれれば満点だ。
 CVTそのものは特にノイズも大きくなく、当然スムーズな走りだ。人によってはCVTのあのスクーター的なエンジン回転の上がり方に違和感がある人もいる様だが、燃費の良さと言うメリットを買いたい。
 それから、もうひとつマニュアル・モードのスイッチの位置がダッシュパネルにあるので、オン、オフがしずらい。セレクターレバーか、ステアリングスイッチだったら更に使いやすかっただろう。
 もっとも、スポーツモードのスイッチはセレクターレバー先端にあり、これはワンタッチで操作でき使いやすい。
<居住性>
--静粛性--
標準的な静粛性
 エンジンをスタートさせてもアイドリングはすこぶる静かだ。このクラスとしてはなかなかこの点の静粛性は高い。また走り出してからのロードノイズも小さめでこの点も不満はない。とは言え、エンジン回転が高くなるとやはりエンジンノイズは大きめとなり、ややうるさめ。とは言え、エンジン・サウンドは心地よいのでその点では楽しめ、このクラスとしては標準的なところだ。

--乗り心地--
マイルドなフィール
 しっかりした固めなサスの割には予想したよりは乗り心地はマイルドだった。タイヤ特性もいいのだろう。路面の小さな凹凸のコツ、コツとした雰囲気もない。また、突起乗り越えもマイルドにいなしていて総じて乗り心地は合格だ。
<ユーティリティ>
トランクルーム トランクルーム  バックドアは右ヒンジで横に開く。ラゲージスペースは左右は多少サスのスペースなどで制約されるものの、比較的広めで、リヤシートを倒さなくても、中程度のバッグなら簡単に搭載出来(シートスライド位置を中間で)、スペースは旧タイプよりぐっと広め。リヤシートはヘッドレストをつけたまま、左右分かれて倒すことが出来、簡単にスペースを広げられるのも使いやすい。

--フロントシートセンター・コンソール--
 シート部分の下に大型の物入れ。これは便利だ。

--サイドロングボックス--
 右後部のCピラー位置にある縦長の窪みには洋服など掛けられる。下部はサスタワーのため狭いのは惜しいが、使い勝手はいい。

--グラブ・ボックス--
 比較的大型で収納性は高い。

--アンダーボックス--
 リヤシート足元に小物が入れられるスペースがあり、なにかと便利だ。

--センタースリット--
 フロントシートのセンターにあるスリット(隙間)にはカードや、高速道路の通行券など挟めてなかなか便利だ。
<その他の目立った装備>
エアバッグフロント前面左右。
サイド・エアバッグはオプション。
ブレーキ・ぺダル後退抑制機能前面衝突の際、ブレーキ・ぺダルが足を傷つけるのを防ぐ。
ISOFIXチャイルドシートアンカーリヤシートに2箇所。
パワーウインド運転席には挟み込み防止タイプ。
オートライトシステムEXのみだが、暗くなると自動的に点灯する豪華版。
車速感知無段間欠ワイパー速度に応じてワイプ速度が変化する。
カップホルダーフロントに4個、リヤに2個。
<気に入った点>
 ユニークなスタイリングとシート。居住性、ハンドリング。

<気になる点>
 モーターの慣性感が残るパワステ。

<まとめ>
 ユニークなスタイリングのコンパクトミニバンだ。エクステリアも楽しいが、インテリアが楽しい。特に、気に入ったのはシート。家庭用のソファのような雰囲気だが、自動車用シートとしての機能はしっかりと押えている。また大型のアームレストも心地よい。
 リヤシートのスペースも広く、ゆとり感があるし、小物入れもあちこちにあり使いやすい。
 ハンドリングもよく乗り心地も意外にいい。もっとも低価格なFFのBXが119.8万円、試乗したEXは149万円とコストパフォーマンスも高い。

車種 全長 全幅 全高 ホイルベース トレッド 前 トレッド 後 乗車定員 駆動方式
EX 3,730 1,670 1,640 2,430 1,460 1,445 5 FF
エンジン
容積(cc)
KW(PS) 最大馬力
回転数
Torque
Nm(kgm)
最大トルク
回転数
最少回転半径(m) 10・15モード
燃費(km/l)
1,386 72(98) 5,600 137(14.0) 3,200 4.4 17.2
車重 W/P W/T C/P C/T P/L C/L 価格
1,080 11.0 77.1 15.2 106.4 70.7 1,075 1,490
*価格は全て千円単位
*W/P
パワーウェイトレシオ 1PSあたりの車重(kg/ps)
*W/T
トルク・ウェイト・レシオ 1kgmあたりの車重(kg/kgm)
*C/P
コストパワーレシオ 1PSあたりの価格
*C/T
コストトルクレシオ 1kgmあたりの価格
*P/L
排気量、1リッターあたりの馬力
*C/L
排気量、1リッターあたりの価格。エンジンサイズに対する大凡の標準価格が推察できる。ただし、装備やグレードは無視。
●今回の試乗車のみのデータ
●価格はオプションを除いた値段


Update:2002/11/12



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