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eKワゴン
(eK WAGON)
筆者:津々見友彦
独断評価
エクステリア
インテリア
動力性能
操縦性
制動性
ミッション
静粛性
乗り心地
ユーティリティ
コストパフォーマンス
総合評価
三菱が「セミトール・パッケージ」と言うコンセプトで、トッポBJより145mm低い軽の2ボックスワゴンを発売した。
通常36ケ月かかる開発期間を3次元CGを駆使して40%短い21ケ月で行うなど合理化し、また、パーツなども汎用利用部品を増やしコストダウンに腐心。それでいて、挟み込み防止のパワーウインドを標準装備とするなど、ツボを押さえたものだ。
プラットフォームはトッポBJと共通で全長、ホイルベースや車幅は同じだが、車高は立体駐車場へも乗り入れられるように1550mmと低いの。が、室内長は95mm長く居住性を高めた。
エンジンは今回はノーマル・アスピレーションのみの発表だ。FFと4WDでいずれも、バリエーションはベーシックにM。それに加えてルーフスポイラー、電動リモコンミラー、13インチのアルミホイルなどの装備のXパッケージが選べる。今回はFFのMを試乗した。
<エクステリア>
端正なスタイリングは気持ちいい
フロントに大型のバンパーを持つ、男性的なデザインだが、スッキリとし大人びたもの。空力特性を高めるために僅かではあるが、フロントからリヤにかけてボディは樽型にしたと言う。サイドウインドも3次元曲線の凝ったもの。
リヤデザインもスパッと気持ちよく切り落としたような歯切れのいいデザインでスッキリ感があり心地よい。品もあり嫌みのないスタイリングだ。
<インテリア>
シンプルながらお洒落
ダッシュパネルにはセンター・メーターがこれもモダーンでかつ、やりすぎないスッキリとしたデザインがされ、好感が持てる。センター・メーターそのものは視点が左に寄るので、個人的には安全性に関して疑問だが、まあ、スピードの出ないこのクラスなら許されるだろう。のっぺらぼうの正面にはデーラオプションのフォトスタンドが立てられ、家族の顔を見ながら安全運転が出来るのはいい。
また、ナビのディスプレイを置くといいが、そうなると何となく、本末転倒のような気もする。
それよりもデザインがいいので楽しい。メーター内にはタコメーターはなく、ちょっと寂しいが、スピードメーターは大型の透過式ホワイトメーターですっきりと見やすくなかなかいい。
センターパネルのエアコンなどのスイッチは判りやすい。ただし、手は届きにくく遠くその意味で操作性はあまりよくない。
--ドライビングシート--
左のアームレストもあり大きく不満はない
フツーのシートだが、バックレストの形状や剛性感に不満はない。ただ、もう少しランバーサポートと包み込み感があれば更に嬉しいところだが・・。だが、ドライバー側には左にアームレストを出せるのは有難い。ドアサイドのアームレストもやや肘に硬いが掛けやすい。
ルーフのゆとりは私で16cm程度ありこれも不満のないスペースだ。前方視界も広々と見渡せなかなかいい。
--リヤシート--
リクライニング付きで掛け心地がいい
ベンチシートだが、バックレストは50:50で3段階のリクライニング出来、ランバーサポートの形状も不満はない。ルーフのゆとりは18cm、フロアーは殆どフラットな雰囲気で好感が持てる。膝のゆとりも18cm程度あり、窮屈感は全くない。センターアームレストはなく、ドアサイドのアームレストは手前側、肘のあたりが狭いのでやや掛けづらい。また、足の短い私には踵が当るのが少々気になる。燃料タンクが出っぱっているらしい・・。
ただ、後部ドアは広く開くので乗り降りはしやすい。
<動力性能>
中速タイプの実用エンジン
エンジンはトッポBJにも搭載される3G83型、SOHC,12バルブの3気筒。657cc、37kw(50ps)/6,500rpm,62Nm(6.3kg-m)/4,000rpmのもの。これに3速ATとの組み合わせだ。
タコメーターがないために詳しいトルク特性は書きづらいが高速域ではやはり大人しくなるものの中速タイプの使いやすい特性だ。
停止からの発進は大人しく、0-400加速の雰囲気は26秒台。絶対的にはやはりそれなりに大人しいが軽自動車としては特に実用上大きな不満はない。
<操縦性>
リニアリティに富みキチンとしたサスのレベルは高い
タイヤはヨコハマ S-217F、155/65R13を履き、サスペンションはフロント、ストラット、リヤはトルクアーム式3リンクとこのクラスとしては一般的なレイアウトだ。
パワステはロックツーロック3.3回転で一般的なもの。直進状態の収まり感もナチュラル、また切り出した時の重さや粘り感なども癖がなく、MAXと比較してもなかなかいい。
高速での直進安定性もピタリと決まり安心感がある。特に好感が持てたのは高速でのレーンチェンジだ。ウェット路面のため完全ドライ路面とは印象が異なるかも知れないが、まず大差無いだろう。
微妙に応答遅れ感はあるものの、不満はなく、特に良かったのは45度舵角まで大人しく、それを過ぎてから応答がスムーズに立上がり出す安心感のある特性だ。この微少舵角では大人しく、リニアな雰囲気はドライバーを疲れさせず安心感が高い。また、BJに比較して車高が低いため重心も下げられその効果もあり、しっかりした足はロール速度も押さえ不安感がない。サスの取り付け部の剛性アップも効き、いいサスセッティングがされていた。
<制動性>
オプションのブレーキアシスト付きでは不満はない
ブレーキはフロントにデスク、リヤはドラムのレイアウトだ。
ABS
と
ブレーキアシスト
は残念ながらオプション設定。これらは標準装備にして欲しいところだ。
オプション装備の
ブレーキアシスト
付きの効果もあり、軽いタッチで効きはいい。また、遊びのストロークも短く好感が持てる。
<ミッション>
3速ながらシフトはスムーズ
コラムシフトの3速ATだ。セレクターレバーは手近で使いやすい。ミッションそのもののシフトフィールはスムーズでよく、どこも不満はない。4速ミッションが欲しいところだが、3速ミッションは60km/hまでの燃費と加速がいいとの理由らしい。その代わり高速燃費が辛い訳だが・・。コストカットのため割り切った様子だ。
<居住性>
--静粛性--
ややエンジン音は高いが大きな不満はない
3気筒ながら、アイドリングはすこぶるスムーズでノイズも小さめ、かつバイブレーションも感じない。
ただし、3速ギヤのためにか、加速するとノイズは大きくなる。が、やや大きめに感じる程度で、我慢出来ない訳ではなく、このクラスとしてはまずまずと言うところ。ロードノイズも感じるが特別気にはならないレベルだ。
--乗り心地--
固めな設定が、これも大きく不満はない
ハンドリングに振ったトレードオフでやや固めに感じる。突起乗り越えの時にはコツンと衝撃はあり、固めの雰囲気を持っている。ただし、我慢できないレベルでは勿論ない。
<ユーティリティ>
軽く開くリヤハッチは使いやすい
リヤハッチは軽く開き使いやすい。両サイドぎりぎりまで広く使え、このクラスとしては常識的なスペースを持ち、斜めにすればゴルフ・バッグ1個は軽く入るだろう。
リヤシートのバックレストを50:50で、ヘッドレストを付けたまま前方に倒せるのは嬉しい。オプションのラゲージボックスをラゲージスペースに埋めこむと、リヤシートを倒しフラットな面が出現する。
フロントシートをフルリクライニングさせるとリヤシートと同一面になり、リヤシートで足を伸ばせる。
<その他の目立った装備>
エアバッグ
フロント全面左右に。
コンビニフック
助手席前にあり、これは便利だ。
カップホルダー
ドライバーサイドはドアに。助手席は前方のアンダートレイに。但し、リヤにはない。
霜取りクン
実はドライバーのドアサイドポケットにある間仕切り板だが、樹脂製のため取り外すと窓ガラスの霜取りになる。冬場には有難い。
プチゴミ箱
ドライバーのドアサイドに取り付けられる。
また取り外してゴミを捨てられる。更に、センター・コンソール下にも取りつけ可能なので、何かと便利だ。
運転席アッパーボックス
ドライバーの目の前のダッシュパネルに。蓋つきで小物を入れるのには便利。
挟み込み防止パワーウインド
全パワーウインドに装備され、子供を乗せるチャンスの多いこのクラスとしては特に有難い装備だ。
ISOFIXチャイルドシートアンカー
リヤシートに。言うまでもなく有難い。
<気に入った点>
デザイン。しっかりした操縦性。
<気になる点>
乗り心地、3速AT。
<まとめ>
スッキリと大人び、品格のあるエクステリアやインテリアデザインもよく長く乗っても楽しいだろう。また、ハンドリングがいいのも特徴で軽自動車らしくない安心感がいる。それだけに多少乗り心地は固めだが大きく不満はない。挟み込み防止パワーウインドなどの装備は高く評価したい。
車種
全長
全幅
全高
ホイルベース
トレッド 前
トレッド 後
乗車定員
駆動方式
eKワゴン M
3,395
1,475
1,550
2,340
1,295
1,295
4
FF
エンジン
容積(cc)
KW(PS)
最大馬力
回転数
Torque
Nm(kgm)
最大トルク
回転数
最少回転半径(m)
10・15モード
燃費(km/l)
657
37(50)
6,500
62(6.3)
4,000
4.4
17.4
車重
W/P
W/T
C/P
C/T
P/L
C/L
価格
790
15.8
125.4
18.2
144.4
76.1
1,385
910
*価格は全て千円単位
*W/P
パワーウェイトレシオ 1PSあたりの車重(kg/ps)
*W/T
トルク・ウェイト・レシオ 1kgmあたりの車重(kg/kgm)
*C/P
コストパワーレシオ 1PSあたりの価格
*C/T
コストトルクレシオ 1kgmあたりの価格
*P/L
排気量、1リッターあたりの馬力
*C/L
排気量、1リッターあたりの価格。エンジンサイズに対する大凡の標準価格が推察できる。ただし、装備やグレードは無視。
●今回の試乗車のみのデータ
●価格はオプションを除いた値段
Update:2001/11/27
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