●MMコンセプト
一回り大型になった2代目だが、心地好いプロポーションで登場した。“センタータンクレイアウト”と言う、フロントシートの下に燃料タンクを配置するユニークながら合理的なレイアウトのため、コンパクトなボディにもかかわらず、広い室内と荷室に仕上げた。 ホンダのDNAである“MMコンセプト”が根底にある。“マンマキシマム・メカミニマム(MM)”つまり、最少のメカニズムで最大の居住空間を持つクルマ。まさに“フィット”はそのコンセプトの極致にあるもの。
“Aピラー”(フロントウインドの前方窓枠)を120oも前方に移し室内を広げる“スーパーフォワーディングフォルム”がモダーンなパッケージングを印象づけ、先代と並ぶとバランスがよく、またフレッシュに感じるから不思議だ。1.5リッター仕様は“RS”(ロードセーリング)とネーミングされ、軽快に帆走するイメージだが、上質感があり、シニアにも似合う設定。“RS”をメインに試乗した。
“RS”のエクステリアは力強くダイナミックにデザイン。フロントグリル、バンパー、サイドシルガーニッシュなどよりスポーティー。
●パノラミックなコクピット
コクピットの第一印象は視界が広がる開放感だ。3倍になったと言う大型の三角窓や上部に広げられたフロントウインドシールドで広々とパノラミックな前方視界は気持ちが良い。更にオプションの“スカイルーフ”仕様はまさにサンルーム感覚で開放感満点。爽やかで豊かな居心地は捨てがたい。
そして、シビックなどと同デザインの3本スポークのステアリングホイルや、立体的で高級感のある常時発光の3眼メーター。中央部には瞬間燃費計があり、省燃費運転もしやすい。
メタリックなシルバーとガンメタで大人びたイメージ。センターパネルに大型のナビゲーションディスプレイが見やすい。
●心地好くサポートするフロントシート
シートに座り込んでまず感じるのが、ランバーサポートなど腰の心地好いサポート感。程よくスッポリと包み込む安心感の高いフィールは良い。アコードクラスのシートフレームを使っただけあり、しっかりと身体をサポート。ドライビングシートは左に小さなアームレスト(RS 5MTとGは除く)もありロングツーリングでは有り難い。ルーフのゆとりも充分にあり、ハイトコントロールも上下50oと大きくアジャスタブルで小柄な女性でも安心だ。
またぺダルもアクセルブレーキとも右に14o移動し、更にフットレストも与えられナチュラルな姿勢でドライビング出来るのは嬉しい。
●大型化され心地好いリヤシート
リヤシートもバックレスト高さや座面も大型になり、心地好く座れる。腰もしっかりと支えてくれ、落ち着けるのも良い。ニースペースは先代に比較して、40o広がり、24pほどのゆとりがあり広々感が高い。更にルーフも16p程度のゆとりがあり、バックレストは1段階のリクライニングも出来るのも嬉しい。4:6でバックレストは倒せ、簡単にリヤシートが荷室になる、“ウルトラシート”は更に進化し、使いやすさが増したのも特徴だ。
フロアーは完全なフラットフロアーではないものの、センタートンネルは低く圧迫感が小さい。
●心地好い走りの動力性能
“RS”には1.5リッターの120psエンジンを搭載。トルコンCVTとの組み合わせで発進もスムーズでイライラ感は全くない。低速からのトルクも不満なく快適な走りだ。Dレンジでフルスロットル加速をトライすると4,000rpmからVTECが高速カムに切り替わるらしく、5,000rpmに向けてしっかりと伸びてくれ、小気味よく回る。0-400加速は17秒台に入る雰囲気で、このクラスとしては力強い動力性能だ。
“G”“L”には1.3リッター、100psエンジンを搭載。2,500rpmの低回転からしっかりとトルクを出し低速から高速まで使いやすいもの。0-400加速は18秒台の動力性能。市街地でもイライラせずに走れるパーフォマンスを持つ。
●短いストローク、コントロール性の良いブレーキ
ブレーキはフロントにベンチレーティッドディスク、リヤドラムのレイアウト(
VSA装備仕様ではリヤもディスク)だが、
ABS,
EBD,
ブレーキアシストの3点セット付き。 短めのストロークでコントロール性が高く、安心感の高いブレーキ。RS CVT仕様にはフロントに大型ベンチレーティッドディスクでしっかりした安心感の高いブレーキングフィールだ。テストコースを限界で攻めて走ったが、最後までしっかりと減速し高い安定性をみせてくれた。勿論、1.3リッターの“L”“G”でもなんら不満のない制動性能を発揮してくれていた。(RS MTは4輪ディスクブレーキと更にVSAが標準装備され安心感が更に高い)
●粘るリヤサス、より洗練されたハンドリング
素直でスムーズな操縦性も驚きのひとつだ。シャシー剛性の向上とリヤサスペンションのストロークの延長。そして電動パワステのモーターのパワーアップなどが、ナチュラルでハイレベルなコーナリングパーフォマンスを見せてくれた。
“RS”のCVTモデルには175/65R15のヨコハマS71タイヤを履くが、パワステも軽すぎず手応感のナチュラルでスムーズなハンドリングで小気味よくコーナリングしてくれた。
最近のホンダ車の常で、スッキリとしたハンドリングフィールが良い。電動パワステもナチュラルで違和感が全く感じられない。応答そのものはタウンユースのこのクルマらしい設定なので、RSとは言えギンギンにシャープではなく、ストレスのない程よい設定となっていた。
RSのCVT仕様にはオプションでRS 5MT仕様と同様の“185/55R16”サイズのタイヤが用意されている。やはり応答が若干シャープにはなるので、よりスポーティーな走りを求めるユーザーにはチョイスするとよい。
先代でテストコースを攻めてみたが、圧倒的に2代目が勝った操縦性を見せる。先代ではフルスロットルで攻められないコーナーを見事に安心感をもって攻められる安定ぶり。成長の高さがひしひしと感じられる。
“RS”の5速MTに標準装備、CVT仕様にメーカーオプションされているのが
VSA。テストコースのワインディングを攻めた時、オーバースピードでコーナーに進入するとさり気なく、スロットルを戻し、軽くブレーキングさせてコースアウトを防いでくれ、安全性はすこぶる高い。出来ることなら選びたい装備だ。
●スムーズでスポーティーなCVT
ミッションは全て、トルコン付きCVT。停止からの発進でも力強くスムーズにスタートしてくれ、かつエンジン回転と速度が比例して高まるナチュラルフィール。CVTの違和感は感じさせない。更に“RS”にはパドルシフトが与えられ、7速のマニュアル・モードもチョイス出来る。便利なのは、Dレンジで走行中に、パドルでシフトダウンなどすると、その後の状況に応じて自動的にDレンジに復帰してくれすこぶる使いやすい。またSレンジにシフトすると回転が高まり、スポーティーな走りが出来、この時にパドル操作をするとマニュアル・モード固定となりスポーティーに走れ、使いやすい設定だ。
一方、5速MTは4WD仕様車と“RS”でFFでチョイス可能。心地好くシフト出来、スポーティーファンには楽しめる。
●心地好い乗り心地
新型フィットの特徴のひとつは快適な乗り心地だ。初代フィットの初期型はスパルタンなフィールだったが、全く別物のしなやかな乗り心地感。荒れた路面でも心地好くしなやかな走り味だ。(185/55R16サイズを履くとさすがに小さな凹凸は感じ出すのは否めない。が、それでも厳しいガツンと言う鋭い衝撃感はない)また静粛性も高い。エンジンのアイドリングではサウンドはもとより、バイブレーションもよく抑えられ、全く感じない快適さだ。エンジンを引っ張っても“シューン”と心地好いサウンドが響くのみで6,000rpmの高回転でもストレスなく走れ、スモールカーとして居住性のレベルはなかなか高い。心地好い居住性のクルマに成長していた。
●目立つ装備
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RSの5速MTに標準装備、RS、CVTにメーカーオプション
ドライバーミスのオーバーステアやアンダーステアを防いでくれ安全性が高い。
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HONDAインターナビシステム
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リヤカメラ付き、データを簡単にアップデート出来る優れもの。
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●まとめ
先代のDNAを引継ぎながら、モノフォルムのモダーンデザインでボディスタイリングも魅力的。一回り大型になったが、ゆとりの室内空間と開放的なパノラミックな視界が爽快だ。乗り心地、静粛性が高く居心地がよいのも特徴。更に、1.3リッターの“G”FFモデルは先代ゆずりの24.0km/lというクラストップのモード燃費を誇り、1.5リッター“RS”のCVTモデルでも19.6km/lと高性能。
見てよく、乗ってよく、実用燃費の高いコンパクト5ドアハッチだ。