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アウトライン開発者よりデザインメカニズム試乗記購入ガイド写真集

エアウェイブ(AIRWAVE)  戻る

<メカニズム解説>


サイドビュー



フロントビュー



リアビュー




ボディ構造




1.5L VTECエンジン



パドルシフト



CVT



前後サスペンション



電動パワーステアリング



ラッププリテンショナー



熊野 学
熊野 学


 4月7日に発表されたホンダの新型車エアウェイブは、1.5Lクラスのスタイリッシュワゴンである。ホンダにはこのクラスのワゴン車がなく、その穴を埋めるために開発されたのがエアウェイブだ。以前には、シビックのワゴンモデルとしてシビック・シャトルがあったが今は無く、シビックベースのパートナーはビジネスユースのライトバンだ。これに対し、エアウェイブはパーソナルユーズ向けにスタイリングを重視し、その上でワゴンとしての機能を盛り込んいる。そして、スタイリングと機能を両立させるのが、フィットやモビリオに既に採用済みのグローバル・スモールプラットフォームである。

●パッケージングとボディ
 エアウェブのボディサイズは、全長がモビリオより295mm長い4350mm、全幅が5ナンバーいっぱいの1695mm、全高が立体駐車場に入る1515mmであり、ホイールベースはモビリオより190mm短い2550mmだ。リアオーバーハングを伸ばして荷室を広げ、一方でホイールベースを短くして取り回し性を向上したと言える。
 エアウェブのプラットフォームは、フィットやモビリオで採用されたグローバル・スモールプラットフォームを発展させたもので、広い居住空間と低床かつ広い荷室を実現している。すなわち、燃料タンクをフロントシート下に収納することでリアシート後方のフロアを低くし、これにダイブダウン・リアシートを組み合わせている。ワンタッチで倒せるリアシートを畳むと、リアのシートバック背面と荷室フロアが面一になり、フロントシートの後方はフラットで広大な荷室となる。
 ワゴンにおいて荷室の広さと共に重要なのが、テールゲート開口部の大きさだ。特に、開口部の下端の高さが重要であり、その位置が荷室床面より低いことが理想だ。重い荷物を荷室に積み込むのが容易になるからだ。が、テールゲート開口部を大きくすると、車体後部の剛性が低下しがちだ。エアウェイブでは開口部を囲む骨格を太くし、テールゲート開口部の剛性を確保している。
 従来のワゴンと異なるのは、主要グレードに大きい(770×1110mm)のガラスサンルーフを採用したことだ。ガラスサンルーフ自体は嵌め殺しだが、電動3枚構成のサンシェードを開くと上方から光が注ぎ込み、開放感溢れる居住空間となる。大きなガラスサンルーフは炎天下では室温を上昇させ、上方から室内が丸見えになる。このため、断熱ガラスと着色ガラスの間に、中間膜をサンドイッチした合わせガラスを用いている。
 大きなガラスサンルーフもボディ剛性を低下させる。そこで、開口部の周囲を閉断面の部材を追加又は大型化して補強している。前方の部材はノーマルルーフの部材を大型化し、サイドの部材はルーフレールの内側に追加し、後方の部材は左右のCピラー上端を繋ぐように配置している。これらの補強とサンシェードの駆動機構とガラス自体の重量増を合計すると、ノーマルルーフに対して24kgの重量増となる。

●エンジンとトランスミッション
 エアウェイブに搭載されるエンジンは、モビリオ・スパイクと同じ1.5Lの直列4気筒SOHC−VTECエンジンである。81kw(110ps)/5800rpmの最高出力と143Nm(14.6kgm)/4800rpmの最大トルクも、モビリオ・スパイクと共通する。1本のカムシャフトで気筒当たり4本のバルブを開閉するSOHC−VTECは、低回転では1本の吸気バルブの休止し、吸気スワールを起こして燃焼を改善し、高回転では2本の吸気バルブを開き、吸気抵抗を低減して高出力を発生する。
 モビリオ・スパイクのエンジンと異なるのは、排ガス性能だ。エアウェイブでは排気マニフォールドを短くして表面積を小さくし、O2センサーを触媒入り口部から排気マニフォールド集合部に移動して検出性を向上した。これらの対策により、平成17年度排出ガス基準で75%低減レベルの排ガス性能(4つ星)を達成した。
 トランスミッションも、モビリオ・スパイクと同じベルト式CVTだ。変速モードはCVTならではの無段変速に加え、7段オートシフトモードや7段マニュアルシフトモードも選べる。Dレンジ或いはSレンジでは無段変速となり、アクセルペダルの踏み込み量とその頻度に応じてそれぞれ、D1モードからD2モードへ或いはS1モードからS2モードに切り替わる。また、Dレンジでアクセルペダルを全開近くに踏込むとRSマップに切り替わる。
 ステアリングホイールのメインスイッチを押すと、7速オートシフトモードとなる。このモードでは、トルコンATのようにステップ状に変速する。CVTは動力を伝達しながら変速するからシフトショックは無く、リズミカルでスムーズな変速を楽しめる。
 7速オートシフトモードの状態でシフトパドルを操作すると、7速マニュアルシフトモードとなる。このモードでは、ステアリングホイール前方のパドルの操作により1段毎に変速し、右のパドルを引くとシフトアップ、左のパドルを引くとシフトダウンする。そして、無段変速に戻すには、再びメインスイッチを押せばよい。

●サスペンション・ステアリング・ブレーキ
 サスペンションは、フロントがストラット式、リアがトーションビーム式とフィットやモビリオと同形式であるが、エアウェブ専用設計である。重い荷物を積むことが多いワゴンに合わせて、ロールセンター高さをやや高め、ロール時の外輪のトー変化を増大して安定性を高めると共に、前輪のコンプライアンスを増大して乗り心地を向上している。
 ストラット式のフロントサスペンションでは、キャスター角を4.5度とFF車としては大きめに設定し、トレールを長くしている。トレールとはキングピンと地面の交点とタイヤ接地中心の距離であり、これを長くすると旋回時にサイドフォースによる外側前輪のアウト側へのトー変化が大きくなり、安定性が向上する。
 一方で、ロアアームの後側ブッシュを大容量化し、突起乗り上げ時の前輪後退量(コンプライアンス)を増大して乗り心地を向上した。この大容量のブッシュはその中心軸を前後方向にして取付けられ、ブッシュの変形も前後方向となっている。言い換えると、ロアアームがそのピボット軸に沿って後退することで、前輪が後退する。
 トーションビーム式のリアサスペンションは、ビームの向きとブッシュのチューニングにより、ロール時の外側後輪のイン方向へのトー変化を増大している。U字型ビームを前開きに設置することでビームの捻り中心をその後方に設定し、セミトレーリングアームと同様なロール時の外輪のイン方向へのトー変化を得ている。
 さらに、左右のブッシュを「ハ」の字型に配置することで、旋回時のサイドフォースによるアクスルビームの変位を斜めにし、これによっても外輪のイン方向へのトー変化を増大している。このように前後のサスペンションは、ワゴン向けに安定性を重視したセッティングである。
 なお、4WD車のリアサスペンション形式は、FF車と同じトーションビーム式だ。が、プロペラシャフトとの干渉を避けるためにU字型ビームは上方に曲げられ、その後方にデュアルポンプと一体のファイナルドライブを配置している。U字型ビームを前開きに設置したのも、それとファイナルドライブの干渉を避けるためだ。
 ステアリングもフィットやモビリオと同じく、ピニオンを直接モーターで駆動する方式の電動パワーステアリングだ。モーターの出力を増大すると共に、ステアリングギアボックスの取付け剛性を向上している。これも、ワゴンの重い車両総重量への対応だろう。
 ブレーキもそれなりに強化された。直径7インチと8インチの真空容器をタンデムに配置してペダル踏力を軽減し、フロントは14インチサイズのベンチレーテッドディスク、リアは直径220mmのドラムブレーキを採用して制動力を増大した。

●衝突安全
 エアウェイブには、従来のGコントロール技術に加えて、新しい衝突安全技術が採用された。それは、前席のシートベルトのラッププリテンショナーと歩行者障害軽減対策だ。
 ラッププリテンショナーは、従来の肩の側でシートベルトを巻き取るのに加えて、腰の側でもベルトを巻き取る。衝突時に乗員の体を拘束する時、肩の側でベルトを巻き取るだけでは腰の拘束が遅れる。そこで、腰の側でもベルトを巻き取るラッププリテンショナーが追加された。1本のシートベルトの両端を巻き取ることで、乗員の上半身と下半身の拘束性が向上するのだ。これにより、前席の衝突安全性は6星レベルを達成している。
 歩行者障害軽減対策はホンダ車には従来から採用されているが、エアウェイブでは9月から施行される安全基準に合わせてさらに進んだ対策が採用された。具体的には、エンジンフードとエンジンのクリアランスを大きくし、エンジンフード内板を変形しやすくして歩行者との衝突時の衝撃吸収性を増大した。歩行者の障害軽減は5段階で評価され、エアウェイブのそれはレベル3に適合する。なお、レベル4以上の適合車はまだない。

●まとめ
 エアウェイブは以上のように、大きなガラスサンルーフに象徴される新規性を持たせたスタイリッシュなパーソナルユースワゴンであり、ワゴンとしての本来の機能も併せ持つ新型車だ。ターゲットユーザーは、20代から30代の独身男性という。

アウトライン開発者よりデザインメカニズム試乗記購入ガイド写真集
updated : 2005.4.7



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