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MINI
筆者:津々見友彦
独断評価
Mini Cooper
5MT
Mini Cooper
CVT
エクステリア
インテリア
動力性能
操縦性
制動性
ミッション
静粛性
乗り心地
ユーティリティ
コストパフォーマンス
総合評価
1959年に鬼才、アレックス・イシゴニスが産み出したキュートなミニは世界初の横置きエンジンFF車として誕生した。小型でユニークなスタイリングとそのスポーティーな走りで独特の世界で多くのファンを魅了した。
FFの元祖的存在だったが、衝突安全性や、排気ガス、燃費規制などの現代の規制の前に消え去ることとなった。が、MINIブランドを取得したBMWのもとにリニューアルして旧タイプに劣らない魅力的なスタイリングで誕生させた。
既に、イギリス、ドイツでは昨年夏から発売されているが、日本でも導入された。
ベーシックなミニワン(5速MT、CVT)とスポーティーなクーパー、よりパワフルなスーパーチャージャー付きのクーパーSのバリエーションがあり、往年のファンには1967年のモンテカルロラリーを制したミニクーパーのイメージが今だに残る。
スポーティーバージョンにはクーパーのネーミングを与えているが、特にクーパー社のテクニカルな関与はないが、クーパー社はチューニングキットやマフラーなどのアフターパーツを発売している。
今回はベーシックなMINIクーパーの5速MTとオプション設定のCVT仕様を試乗した。
<エクステリア>
モダーンながらミニテイストのあるエクステリア
モーターショー発表当初写真で見た限りでは、あまりかっこ良くは見えなかったが、実物を見て納得!BMWの提案するデザインはモダーンながら、ミニのDNAを充分に引き継ぎなかなかお洒落で魅力的。
ボディサイズは旧タイプに比較して全長で550mm、全幅250mm、全高95mm、ホイルベースで430mmも伸びて並べると2周りぐらい大きい。もっともそれでもまだ小型で、いかにオリジナルミニが小さかったかが判る。
ミニワンが、ボディ色は一色なのに対し、クーパーではルーフがツートンに、そしてスチールホイルがアルミに、グリルがメッキに、フォグランプが標準装備となるなど、エクステリアの違いがある。
<インテリア>
ネオクラシックでお洒落な室内
クラシックミニのイメージを残しながらモダーンにデザインされ、ミニにかけるデザイナー達の情熱とレベルの高さを感じる。
旧タイプ同様、センター・メーターが基本だ。大型のホワイトのスピードメーターがセンターに、そして小振りながらやはりタコメーターが正面に配置され、見やすいしなかなかスポーティーかつお洒落。また、オプションのナビゲーションを設定するとスピードメーターはタコメーター隣に同サイズのものが配置される。
ステアリングをチルトさせるとメーターはスカイライン同様同時に上下し見やすさは変らない。
センター・コンソールにはエアコンの温度調整スイッチがあるがダイアルタイプで使いやすい。それだけではなく、よく注意してみると、このスイッチそのものの配置が、ミニのマークになっているのだから面白い。
気に入ったのはセンター・コンソールのスイッチ類だ。クラシックなデザインのタンブラースイッチが並び、パワーウインドなどを操作するが雰囲気があり、しかも機能的だ。また、メーター類それにぺダル類までクラシックなデザインでコーディネイトしているのも楽しい。クーパーにはオンボードコンピューターも標準装備される。
--ドライビングシート--
お洒落なバケットシート
フロントはお洒落なデザインのバケットシート。固めのパッドで仕上げられ、身体を保持しやすいのは好感が持てる。ただし、もう少し包み込み感があると更に嬉しいが、まあ、不満のないもの。 オプションのスポーツシートはややランバーサポートが高過ぎるきらいがある。レザーシートをチョイスするとランバーサポートのアジャストは可能で、これは程よい。いずれもリクライニングはレバーで出来嬉しい。
シートに座ると前方視界そのものは実にいい。が、やはりルーフ前端が目に入る。ルーフまでの物理的なゆとりは小柄な私でも10cm程度で標準的。特に広くはないが、大きく不満にはなるまい。
--リヤシート--
やや立ち気味だが大きく不満はない
リヤシートは多少立ち気味のバックレストだが、剛性感のあるバックレストそのものはなかなかいい。ただ、もう少しランバーサポートが欲しい気もする。左右にはアームレストもあり(固いが)その点もいい。
ルーフのゆとりは10cm程度。ニースペースも特に大きくゆとりはないが、14cm程度はあり、苦情を言うギリギリの線でこれもまずまず。とは言え、旧タイプに比較すると格段の居住性向上だ。
フロントシートはワンタッチで倒れてスライドするので、出入りはその点しやすい。
<動力性能>
フラットトルクな動力性能
エンジンはBMWとクライスラーの共同開発による1.6リッター、SOHCの24バルブで、クライスラーPTクルーザーにも搭載される「ペンタゴン」と呼ぶものだ。
「E−ガス」と呼ぶドライブ・バイ・ワイヤーで、ミニワンでは省燃費型として、66kw(90ps)/5500rpm,140Nm(14.3kgm)/3000rpmのものだが、クーパーではコンピューターのプログラムにより、全く同じエンジンながら、85kw(116ps)/6000rpm,149Nm(15.2kgm)/4500rpmと26PSもパワーアップされている。低速の2000rpmからでもトルクがあり、低速トルク型ながらほぼフラットトルクな様子。
市街地でも使いやすいエンジンだが、高回転域もほどほどに伸びバランスはいい。ワンと比較すると10kg程度重いものの、加速性能はパワーが高い分速く、0-400加速は16秒台とワンより1秒速い雰囲気。ストレスのない軽快な動力性能だ。
CVTモデルの0-400加速のフィールは17秒台で、クーパーMTに対して多少遅れるものの、ワンのMTと同格の加速性能だ。
<操縦性>
走行ムービー(623KB)
クイックでスポーティーな応答
サスペンションはラバーコーンスプリングからフツーのコイル・スプリングになり、フロントにストラット、リヤはBMWの3シリーズ流のマルチリンクとなった。 タイヤはピレリP3000、175/65R15を履く。電動ポンプによるパワステはロックツーロック2.5回転と言うスポーティーなレシオだ。
パワステのフィールはナチュラル感があり、なかなかいい。それだけに応答は結構クイック。
ワンにはフロントのみスタビライザーがあるが、クーパーでは前後にあり、更に強化されて、車高も8mm低い。
ワンを試乗した時はタイヤが新しいこともあったかも知れないが、応答遅れ感がありやや猪突な挙動感があった。
クーパーの場合、指2本からの応答は同様、クイックではあるものの、その点、応答遅れ感からの違和感はなく、慣れるとあまり気にならない。とは言え、高速道路でのレーンチェンジでは、ハンドリングを丁寧にと、気を使う。もう少し大人しくてもよかったのでは・・。
それだけに、ワインディングなどに入ると得意技で小気味よくコーナリングしてくれる。タイヤそのものは特にハイパフォーマンス仕様ではないものの、キチンとフロントがラインをトレースしてスムーズなコーナーワークは好感が持てる。また、強化スタビライザーによるロールも小さめで安心感が高い。
パワステは程よく重めの設定がされていて、癖がなくフィールはいい。また、FF独特のトルクステアーはなくこれもナチュラルだ。
<制動性>
効きのいいブレーキ
フロントにベンチレーティッドディスク、リヤソはリッドディスク。
ABS
、
EBD
、それにCBC(コーナリング・ブレーキ・コントロール)付き。
ぺダルストロークも短めで、剛性感も適度にあり、安心感が高い。効きに不満はなく、またコーナリング中にブレーキングしても姿勢は乱れず安心だ。
<ミッション>
5MT
軽いクラッチ、スムーズなシフトフィール。
5速MTで、クロームとレザーのシフトノブは位置も近く、また、ストロークも短めでスムーズにシフト出来る。クラッチも軽目で女性でも疲れない。
CVT
使いやすいマニュアル・モード
6速のステップトロニックと呼ぶマニュアル・モード付き。クラッチはトルコンではなく、湿式多板を利用し軽量に仕上げている。
クリープ(停止中ズルズルと多少動く)現象もあり、違和感はない。スポーティーな走りをすると、シフトアップを押えて低いギヤを維持しエンジンブレーキも良く効きその点では使いやすい。これは下り坂でもエンジンブレーキ制御がされるもの。
オプションでステアリングにもシフトスイッチが付けられる。
右に倒すとマニュアル・モードとなり、前後のシーケンシャルシフトでダウンとアップが出来、スピードメーターにギヤ位置が表示される。
扱いやすいのはレッドゾーン近くになるとマニュアル・モードでも自動的にシフトアップし、更に低回転ではキックダウンも効くことでこれは非常に使いやすいし、安全性も高い。
もっともキックダウンの際はかなりスムーズにシフトするよう配慮されているためかタイムラグがトルコンタイプに比較して多いのは否めない。
それと、スロットルを開いて、閉じ、更に開くような時にはややギクシャクした雰囲気があるが、通常に使用する場合は特に不満はない。
<居住性>
--静粛性--
静かなアイドリング
エンジンスタートした後、ノイズ、バイブレーション共に低く、このクラスとしては非常に良好。 もっとも、走り出すとやはりエンジンノイズは大きくはなるものの、現在の常識的なレベルより小さく不満はない。
100km/hクルージングでもロードノイズも小さく、エンジンノイズも低いので不満はない。
時折、CVTのベルトサウンドがシューンとかすかに聞こえるが特に気にはならいない。
--乗り心地--
快適な居住性
高速道路での路面継ぎ目の乗り越えでは固めの衝撃は感じるものの、これも馴れてしまうと特に気にはならない。総じて乗り心地は快適と言える。
<ユーティリティ>
使いやすくなったトランク
大きく高く開くリヤハッチを開くとトランクルームは150リッターの容積で、このクラスとしては標準的。小型バッグは2個程度は入る。リヤシートは後方から簡単に50:50で倒してトランクスルーとし670リッターまで拡大出来、使いやすい。
<その他の目立った装備>
エアバッグ
フロント前面両サイド。そしてフロントシートにはサイド・エアバッグ。ヘッドエアバッグはAピラーからCピラーまで展開し、後席の頭部を保護してくれるのは有難い。
タイヤ空気圧警告灯
このクラスとしては珍しい。ABSシステムの応用で、対角線上のホイルの回転数を見比べ空気圧の低下を検知し、スピードメーター内のランプで警告する。これは安全上有難い。
DSC
(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)
オプションながら、このクラスでアンダーステアやオーバーステアで姿勢を乱さないこのシステムが装着可能なのは嬉しい。
実際、オーバーステアに陥りそうになったらすかさずアウト側のフロントにブレーキをかけてコントロールし立ち直らせてくれた。
トラクション・コントロール
駆動タイヤがホイルスピンすると制御。効率のいい発進が可能でしかも安全性が高い。BMW流の装備だ。
ISO-FIX チャイルドシートブラケット
リヤシート左右に。
ヒーテッド・ドアミラー
ドアミラーの曇り止めなど、冬季、雨季は有難い。
カップホルダー
フロントに2個、リヤに1個
フロントはシフトレバーの前にありやや使いずらいが、あるのは嬉しい。
<気に入った点>
お洒落なエクステリアとインテリア。
<気になる点>
高速での小舵角の敏感な応答。
<まとめ>
BMWの意欲的な作品だ。あのキュートなミニのイメージをそのままモダーンにしながら、居住性を高めた。クラシックミニの強烈な癖のあるハンドリングは洗練され、トラクション・コントロール、タイヤ空気圧警告灯などBMWのもつテクノロジィを投入、更にエアバッグ等のフル装備が標準化され衝突安全も含めて安全性は高められた。
高速ではややシャープに感じるハンドリングだが、慣れるとスポーティーに走れる。また、乗り心地も阻害せず居住性の高いお洒落なコンパクトハッチだ。
車種
全長
全幅
全高
ホイルベース
トレッド 前
トレッド 後
乗車定員
駆動方式
Cooper 5MT
3,625
1,690
1,415
2,465
1,460
1,465
4
FF
Cooper CVT
エンジン
容積(cc)
KW(PS)
最大馬力
回転数
Torque
Nm(kgm)
最大トルク
回転数
最少回転半径(m)
10・15モード
燃費(km/l)
Cooper 5MT
1,598
85(116)
6,000
149(15.2)
4,500
5.1
14.4
Cooper CVT
車重
W/P
W/T
C/P
C/T
P/L
C/L
価格
Cooper 5MT
1,140
9.8
75.0
19.4
148.0
72.6
1,408
2,250
Cooper CVT
20.3
154.6
1,471
2,350
*価格は全て千円単位
*W/P
パワーウェイトレシオ 1PSあたりの車重(kg/ps)
*W/T
トルク・ウェイト・レシオ 1kgmあたりの車重(kg/kgm)
*C/P
コストパワーレシオ 1PSあたりの価格
*C/T
コストトルクレシオ 1kgmあたりの価格
*P/L
排気量、1リッターあたりの馬力
*C/L
排気量、1リッターあたりの価格。エンジンサイズに対する大凡の標準価格が推察できる。ただし、装備やグレードは無視。
●今回の試乗車のみのデータ
●価格はオプションを除いた値段
Update:2002/4/5
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